寅間心閑さんの肴的音楽評『No.057 逡巡』&大畑ゆかり原案 寅間心閑著 連載小説『もうすぐ幕が開く』(第17回)をアップしましたぁ。石川、あるイベントでサプライズで陣内孝則さんが登場して、一曲歌ったのを聞いたことがあります。ん~エンタティナ―でしたねぇ。それまでのバンドの演奏が吹き飛びました。寅間さんは陣内さん率いるロッカーズの38年ぶりの新譜を取り上げておられます。
『もうすぐ幕が開く』は、最初期とは言えないですが、総帥の浅利慶太さん健在の頃の劇団四季の内幕がよくわかってとても面白い。なかなか書きにくいこともあるでしょうが、大畑さん-寅間さんコンビはうまくまとめておられます。四季の内幕というだけでなく、演劇を見るだけでその内情は知らない方にも面白い小説になっていると思います。
演劇はホントに原初的なエンターテイメントであり、また最高に現代的なそれでもあります。浅利さんのような方が劇団を立ち上げ、苦労しながら人気劇団に育ててゆく。人気俳優も生まれるわけですが、当然入れ替わりがある。抜けてゆく人も新たに入って来る人もいる。他の劇団などから力のある俳優を呼んでくることもあります。それだけではない。演劇はスターばかり集めても成立しません。脇を固める俳優陣が必要で、それが劇団の底力と言えるところがあります。
加えて浅利さんは経営者として抜群のセンスを持っておられました。投資、つまり金集めにも才能があったし、その活かし方も知っていた。Go Toで旅行業界がなにかと話題になりますが、演劇などの舞台芸術は、コロナでホントに困っています。劇団四季も例外ではないでしょうね。ただこういう時期だからこそ、創設者の熱意と工夫がストレートに伝わってくる『もうすぐ幕が開く』のような小説が訴えかけるものを持っているだと思います。
■ 大畑ゆかり原案 寅間心閑著 連載小説『もうすぐ幕が開く』(第17回)縦書版 ■
■ 大畑ゆかり原案 寅間心閑著 連載小説『もうすぐ幕が開く』(第17回)横書版 ■
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