寅間心閑(とらま しんかん)さんの連載小説『助平(すけべい)ども』『三十、今度は言霊』をアップしましたぁ。今回は『助平ども』というタイトルまんまの内容ですねぇ。思わずむふふと笑ってしまいました。このくらい男根主義全開の小説もイマドキ珍しい。ただ小説は作家が何事かを明らかにしようとまだるっこしい形式を使って書く言語芸術です。男根主義に対して嫌悪を抱く読者がいればそれはひとまず成功です。問題はさらに先にある。それがどこに行き着くのか、ということです。
主人公の浮気相手の安藤さんですが、この女性、かなりヤバそうです。まー実生活で出会ったら、「君可愛いねぇ、うんうんモテるよいいカレシ見つかるよじゃねバイバイー」とにこやかに挨拶して去っていった方がいいタイプの女性かな(笑)。小説ではもちろんそうはいかないわけで、こういったヤバい女性に男が、しかも男根主義的な男がどっぷり引っかかってくれなきゃ困るのです。
なぜセックスに囚われた男根主義的な男が安藤さんのようなヤバい女性に惹きつけられるのか。安藤さんに表象される女性が男が持っていない何かを確実に持っているからです。それは主人公の本命彼女のナオも同じですね。異性によって自らの欠落に気づき、それを埋め、しかし自らの男根主義から逃れられない。小説の普遍的テーマだと言えますが、この普遍性を1ミリでも逸脱し超越できれば成功です。
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『三十、今度は言霊』縦書版 ■
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『三十、今度は言霊』横書版 ■
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