寅間心閑(とらま しんかん)さんの連載小説『助平(すけべい)ども』『二十八、咳』をアップしましたぁ。『助平ども』は第28回目で、大長編小説になりつつあります。しかし長いという感じはしませんね。もんのすごい大事件が次々に起こるわけではないのにも関わらずです。その理由はやはり、この小説がセックスを大きな物語要素にしているからだと思います。
セックスというのは〝常同性〟です。簡単に言うといつも同じことを繰り返しています。もちいろんな趣味の方がいると思いますが、基本、同じことの繰り返し。しかしそこには濃厚な人間的な交わりがあるわけで、繰り返しながらじょじょに関係は変化してゆく。そんな刺激的でスキャンダラスでもあるセックスの常同性の流れの中で、登場人物の関係性がゆっくりと、でも決定的に変わってゆくから『助平ども』は読み飽きないのだと思います。
こういったゆったりとした書き方は、小説の数をこなさないとできないものです。小説を書いたことのある方はおわかりでしょうが、小説は肉体労働です。もちろんたいていは机の前に座っていたりするわけですから、一般的な肉体労働とは違います。しかし恐ろしく気力体力をが必要とする作業です。
肉体労働であることは、職人技と同様に、修練を積まないと優れた作品を作り上げられないことを意味します。そういう意味では小説は瞬発力が必要な詩とはぜんぜん違う創作作業です。書けばいいというわけではありませんが、書いて、自己省察と反省を繰り返すことで小説は間違いなく上達します。アイディアだけでよい小説が書けることは稀です。
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『二十八、咳』縦書版 ■
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『二十八、咳』横書版 ■
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