寅間心閑(とらま しんかん)さんの連載小説『助平(すけべい)ども』『二十七、質問タイム』をアップしましたぁ。『助平ども』の主人公は女性にモテモテなわけですが、読んでいればその理由がわかりますね。
ま~ちょいと露骨な言い方になりますが、女性にとっても遊びやすい男はいます。遊びやすいとはどういうことかというと、過剰に自分を傷つけない男でしょうね。安藤さんは店長と主人公にいわゆる二股をかけているわけですが、どちらの男の方が彼女を傷つけているのかは明らかです。だから遊んでも罪悪感がない。確かに女性にとって二股は一種の自傷行為かもしれませんが、さらに傷つきたいと思っている人は少ない。むしろ何かを思い切ることで傷を埋めようとしているとも言えます。主人公はそれにうってつけです。
具体的な性愛描写は小説の専売特許と言えますが、文字通り『助平(すけべい)ども』と題されていてもそこには必ず男女の心理の深みがあります。そうでなければ小説にならない。性愛を小説主題とするのが意外に難しいのはそのせいです。単にセックスシーンを書けばいいというものではない。それは男女あるいは人間の関係性の重要だけど一つの要素に過ぎません。
また性愛を描くとすればある程度徹底して書かなければなりません。でないとその部分だけ小説から浮く。しかし性愛が物語そのものの心理と結びついていなければ、読者は眉をしかめるだけで終わってしまう。小説にムダな描写はないのです。すべての出来事が物語に直結しています。
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『二十七、質問タイム』縦書版 ■
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『二十七、質問タイム』横書版 ■
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