寅間心閑(とらま しんかん)さんの連載小説『助平(すけべい)ども』『二十六、隠しごと』をアップしましたぁ。三角関係と思いきや、四角関係になりそうな気配ですね。妹問題も含めるとかなりややこしい展開になりそうです。でもそれが小説というもの。高い所から落ちた時の方が当然痛みは激しい(笑)。
小説は男女関係と金が主題というのは絶対的な真理です。もちろん他の展開も可能なのですが、男女と金を巡る現世の物語をちゃんと書けない作家がアクロバットをやろうとしても、まず間違いなく失敗します。文学ジャンルにはそれぞれ掟があります。最初はなぞるように小説の掟に沿える作家の方が技術的にも思想的にも進歩が早いものです。
で、『助平ども』の主人公はいわゆる遊び人でモテモテなわけですが、そんなにモテてるような感じがしませんね。もち明らかに性欲に突き動かされている男なのですが、その弱みといふか、意に沿うように女たちが彼の懐に入り込んでくる。つまり世間一般の常識では二股かけてる悪い男なのですが、その悪い男を揺さぶる女たちも十分に悪い気配がある。つまりこの物語の恋愛あるいはセックス関係は、世間的な善悪を越えていると言うことです。
どんなに優等生で品行方正に暮らしていても、ちょっと悪い人になってみたい欲望は誰にでもありますね。繊細でスケベな男がいて、揺らいでいる女がいる。男は女によって欲望を満たし、女の方はそれに応えてやることで、どんどん性欲以上の女になってゆく。『助平ども』は意外と女性に好評ですが、その理由は悪い男と悪い女の質にあるようです。
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『二十六、隠しごと』縦書版 ■
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『二十六、隠しごと』横書版 ■
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