金魚屋から『文学とセクシュアリティ-現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の、小原眞紀子さんの連載小説『No.007 本格的な女たち』をアップしましたぁ。同窓会サスペンス小説です。同窓会の雰囲気がよく出ていますね。リアリティがありますし、高齢化が進み、だけど40代、50代がまだまだ若い現代では、ドラマにしてもキレイどころの女優さんを沢山使えそうです。
同窓会って、小中高大学と開こうと思えば開けるわけですが、大学は独特ですねぇ。大学デビューという言葉がありますが、人間は大学に入るか就職した時点でグッと大人になります。高校生活をエンジョイした人も多いと思いますが、あれは一種の予備校で、大学入試に突き進む進学校なら、高3は学校解散して予備校に行った方がいいんじゃないかしらと思っている人も多いんぢゃないでしょうか(笑)。
大学で大人になるということは、人間、それ以降、根っこの性格はあんまり変わらないことを意味します。それに大学は4年間あります。友人たちの性格を見極めるには十分な時間です。だから大学時代の友人は独特になる。尾籠な言葉を使えばケツの穴までわかっているので、40、50代になっても少し話せば生地がぜんぜん変わってないことがすぐわかる。大人になってからの友人には知り得ない、ある本質をつかんでいるのが大学時代の友人です。
『本格的な女たち』の主人公瑠璃はふとした気まぐれで大学の同窓会に出て、学生時代から変わっていない、いやむしろ生地が増幅され先鋭化して、学生時代よりさらに面倒になった人間関係に巻き込まれます。おまけに殺人事件まで起こる。殺人は利害と憎悪がなければ基本的には起こらないわけですが、それが至るところに渦巻いている。小原さんのサスペンス小説は単なるエンターテインメント小説ではなく、サスペンスであり人間の本質を描く純文学でもあるのですぅ。
■ 小原眞紀子 連載小説『No.007 本格的な女たち』縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連載小説『No.007 本格的な女たち』横書版 ■
■ 金魚屋 BOOK Café ■
■ 金魚屋 BOOK SHOP ■
■ 第7回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第07回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 金魚屋の本 ■