ドイナ・チェルニカ著、ラモーナ・ツァラヌ訳、No.008 『少女と銀狐』第10章をアップしました。『エメラルダのやさしさに照らされた出会い』です。『少女と銀狐』は毎回原稿をいただいているのですが、石川は読むのを楽しみにしております。物語って、そんなに突飛な仕掛けはできません。特に児童文学系の作品はそうです。『少女と銀狐』についても、ある程度は展開を予想できます。
だけんどこの作品には、よくわかんない細部――つまり枝葉がけっこう多いんだな。物語の落とし方としては、三つくらいあるなーと予想してるんですが、対立しても、和解しても、なんらかの犠牲が生じても、この物語は軋みを上げるような気がします。どう軋むのか、それが楽しみです。またいわゆる異文化からの影響というのは、予想外の文学的軋みからもたらされることが多いと思います。
ヨーロッパの童話(民間伝承)はアンデルセンやグリムが有名です。両者とも男性作家で、作品はきっちりパッケージにまとまっています。それに対して『長くつ下のピッピ』のリンドグレーン作品には狂気じみたところがある。『年とったばあやのお話かご』などのファージョンは、まとまりにくい作品を書く作家だなと感じます。ドイナさんは後者の、正統的なヨーロッパ女流童話作家なんだろうなと思います。
■ ドイナ・チェルニカ著 ラモーナ・ツァラヌ訳『少女と銀狐』第10章 縦書版 ■
■ ドイナ・チェルニカ著 ラモーナ・ツァラヌ訳『少女と銀狐』第10章 横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■