第03回 文学金魚新人賞受賞作家 原里実さんの連作短篇小説『なんかいいこと(上編)』をアップしました。原さんの単行本の準備は少しずつ始まっています。ほかの本の進行具合も見なければなりませんが、比較的順調に作業が進むのではなひかと思われます。まー金魚屋の場合、すんなり行く時はあっけないほどすんなり事が進むのでありまふ。
原さんには先日、同時に金魚屋新人賞を受賞した青山YURI子さんといっしょにインタビューさせていただきました(『New Faces/New Generation』)。石川は「小説を書くと自動的に恋愛小説になっちゃうんですか?」という質問に、原さんがちょっとムッとしてお答えになってるのが面白かったなぁ(爆)。
原さんがおっしゃっていることは十分理解できるのですが、読者が作品を単純化してしまうのも事実です。『あの小説はね、A君がBさんに恋して○○して、けっきょく結ばれる話なんだよね』といった具合です。この単純化は仕方がない。誰だってそうやって小説を読んでいるのです。ただ読者に『単純に言うとそうなんだけど、もちろんそれだけじゃなく、いろいろあってね』と言わせれば、その作品はある程度は成功していると思います。
小説の場合、読者が単純化して作品を読むことを逆手に取って作品を書いてゆく工夫も必要です。深遠で複雑な物語を書こうと意気込んで取りかかることも時には必要ですが、もんのすごく単純な物語を前提に、作品を複雑にしてゆく手もあります。もしかすると後者の方が実はテクニカルには難しいかもしれない。小説は奥が深いのであります。
■ 原里実 連作短篇小説『なんかいいこと(上編)』 縦書版 ■
■ 原里実 連作短篇小説『なんかいいこと(上編)』 横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第0回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■