高島秋穂さんの『歌誌時評』『No.027 角川短歌 2016年04月号』をアップしましたぁ。歌壇時評・阿波野巧也さんの『『砂丘律』を中心に仕事と日常のことを考えてみた』を取り上げておられます。『砂丘律』は二〇一五年に青磁社から刊行された千種創一さんの歌集です。お二人とも口語短歌の歌人でいらっしゃいます。
口語短歌は間違いなく新たな短歌の可能性を秘めていると思いますがネガティブな面も持っています。(中略)伝統文学であることを無視すれば短歌は短く手軽な表現です。また短歌界は俳壇ほど形式や序列にうるさくありません。短詩だからどうしても解釈が多様にならざるを得ない面もある。それが作家のエゴ発露のために利用されている気配があります。(中略)
ただそれはあくまで口語短歌運動の副産物でありそのうち自然消滅すると思います。歌に一生懸命になればなるほど歌壇に抱いていた過剰な幻想は必ず消えてゆきます。短歌に限りませんが詩の世界では結局は詩への無償の強い愛がなければ活動し続けられないのです。
(高島秋穂)
どう足掻いてもあんまり儲からないジャンルだということもあって、詩人は詩人であることに過剰なプライドを抱きがちです。武士は食わねど高楊枝的な高邁な姿勢はそれはそれで素晴らしいことですが、行き過ぎるとやっぱり鼻につく。プロの敷居をくぐっても、小説家は日々経済を含む社会的評価にさらされます。詩人もまた、どこかで自分から社会的バランス感覚を得る必要があるでしょうね。
■ 高島秋穂 『歌誌時評』『No.027 角川短歌 2016年04月号』 ■
■ 第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■