『安井浩司「俳句と書」展』 開催記念コンテンツをアップしましたぁ。田沼泰彦、山本俊則、岡野隆、鶴山裕司さんの連載 4 本です。文学金魚で安井浩司さんの墨書展を開催した経緯の一つに、俳句を純粋な文学として考えてみようという目的がありました。私達は明治維新以降、ヨーロッパ思想を基盤とした論理で文学・哲学を考察することを義務づけられています。いわゆる 〝知の普遍的 (世界標準的) パラダイム〟 です。この要件を満たさない文学ジャンルは、少なくとも理論においては現代文学の名に値しません。
俳句がきっちりと現代文学の要件を満たすためには、師弟制度や座の伝統を理論化する必要があります。またあらゆる俳壇的雑事から無縁の、〝純粋文学作家〟 を擁する必要があります。しかし現実問題として、俳句を徹頭徹尾文学として捉えるのは難しい。創作姿勢や俳壇との距離の置き方から言っても、俳句を真正面から文学として捉え闘っているのは、恐らく安井浩司さんほか数人でしょうね。伝統的俳句宗匠は必要ですが、いわゆる俳壇全体の利益という意味で、こういった作家もまた各時代に数人は必要です。
『安井浩司「俳句と書」展』 開催記念コンテンツは、執筆者の方から 4~5 本まとめてコンテンツを入稿していただいています。次回の入稿予定は 2 月末で、それをもって安井墨書展関連のコンテンツは終了となります。恐らく 3 月から 4 月上旬までに、全てのコンテンツをアップできると思います。このプロジェクトが完了したら、次の俳句関連プロジェクトを始動させたいと思います。
■ 山本俊則 『安井浩司墨書句漫読』『No.015 『虻高し山は海から来るものを/からし菜の花を天地は過ぎ去りぬ』』 ■
■ 岡野隆 『唐門会所蔵作品』『No.015 未刊句集篇⑧其角抄』 ■
■ 鶴山裕司『安井浩司初期参加同人誌を読む』『N0.015 『砂』(後半)』 ■