今日アップしたのは金魚さん(齋藤都代表)の総評で、なんと『江古田文学とは』です。金魚さん、ジュンク堂で雑誌を買いまくってたけど、マジここまでやるのねぇ。ちょっと尊敬しますですぅ。それにしても文芸誌ってすんごい数だなぁ。僕はよく本屋に行く方だけど、雑誌コーナーで何を見てたのかって少し反省しますです。
大学雑誌であろうと、公刊されている雑誌全体でいわゆる文学界を形作っているわけで、全部を網羅しないと確かに今の日本文学の傾向は見えてこないかもしれません。それを文学金魚のようなHPで総括するのって、いいアイディアだなぁ(笑)。だって紙雑誌は基本、情報が囲い込まれてるわけでしょう。熱心な文学好きだって、月に読む文芸誌は一冊か二冊くらいですよね。全体の動向って誰も把握してないかもしれない。
あ、金魚さんが書いておられる「文学は男子一生の仕事にあらず」ってのは、二葉亭四迷先生の言葉ですよね。クタバッテシメェオジサンですが、この方、剣呑な性格だったんだよなぁ。二葉亭さんは日本最初の言文一致体小説『浮雲』を書いた人ですが、政治的壮士という感じの御方でござんした。ロシア通だったので、朝日新聞社記者としてロシアに赴任したんですが、結核が悪化して船で日本に戻る途中、ベンガル湾上でクタバッテシメェになりました。遺言は?と聞かれれて「ない」とお答えになったそうな。合掌。
夏目漱石大先生は朝日新聞で二葉亭の同僚で、あまり親しくはなかったようですが、追悼文なんかも書いておられます。で、当時のインタビュー(記者が漱石先生の家を訪ねて座談を筆記したもの)で、「二葉亭さんの、文学は男子一生の仕事にあらずっていう発言について、どう思われますぅ?」という質問を受けています。
漱石先生のお答えは、いかにも漱石先生なんだな。確か「それは文学の定義による」というものだったと思います。要は文学をどう定義するかによって、「男子一生の仕事」にもなるし、二葉亭さんのように「男子一生の仕事にあらず」ってことにもなるって~のが漱石先生の回答でございました。
漱石先生、さすがに文学についてよくお考えになっている。明治時代のインタビューって、テープレコーダもないから、かなりいい加減なものも多いですが、それでも作家さんの面影が彷彿として面白いですよ。漱石先生に文学について質問したら、一生懸命火鉢の中の灰に、火箸で図を書いて説明してくれたっていうのもあったと思います。図はあったかなぁ。詳しくは漱石先生大全集でご確認あれっ!。