山本俊則さんの美術展時評『No.066 『ルノワール展』(後編)』をアップしましたぁ。ルノワールの代表作『ムーン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』について山本さんは、『軽い。これほどの大作でこれほど軽い印象を与える絵画は、ルノワールの作品史にもヨーロッパ絵画史にもほとんどない。(中略)絵画が室内の重厚な人物や静物から解き放たれたことを示す記念碑的作品だった』と批評しておられます。また当時のフランスはサロン文化盛んな時代で、ルノワールは様々な文化人と交流しました。

 

 ルノワールの十九世紀末は、フランス・サンボリズム(象徴主義)の全盛期でもあった。(中略)優れた美術批評家でもあったマラルメが、ルノワールを評した文章は少ない。はっきり言えば冷たかったと言える。(中略)やがて神の不在にまで行きつくマラルメのような思索的詩人に、ルノワールの表層絵画が訴えなかったのは当然だと言える。

 これに対してマルセル・プルーストはルノワールを絶賛した。(中略)彼は早くもルノワールに、失われた世界のノスタルジーを見出しているようだ。それは第一次世界大戦を経て、ヨーロッパ精神が瓦解してゆく時代のプルースト芸術のノスタルジーでもあった。

(山本俊則)

 

ルノワールの時代はいわゆるベル・エポックで、パリが一番華やかな時代でした。ただ時間的に言えばつい昨日のことです。たかだか百年くらいしか経っていない。もちろんこの百年の変化は凄まじかったですが、それを詳細に辿ることができる資料がたくさん残されています。絵画はその一つであり、感覚的に受容される芸術である分、変化の本質を如実に表しているところがあります。

 

ルノワールの絵は古く見えます。晩年にはマチスやピカソらが活躍し始めていましたが、彼らよりずっと前時代的に見えます。しかしルノワール絵画の〝ノスタルジー〟は強烈です。単なる懐古趣味ではなく、何かの本質を表現した優れた絵画だと思います。

 

 

山本俊則 美術展時評『No.066 『ルノワール展』(後編)』 ■

 

 

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