連載翻訳小説 e・e・カミングス著/星隆弘訳 『伽藍』(第02回)をアップしました。戦場を舞台にした小説はヘミングウェイの『誰がために鐘は鳴る』などが有名です。スペイン内戦のお話で、ヘミングウェイらしいロマンチックな小説です。でもカミングスの『伽藍』はぜんぜん違います。

 

 大成功さ、アメリカ赤十字社ノートン=ハージェス救急隊第二十一衛生分隊所属志願運転兵としての半年間の任期を、Bと俺は三ヶ月弱で済ませたんだ、そしてその後体験することを踏まえればこう宛字してしかるべきその運命を境に、分隊長の私物のT型フォードを洗車して油をさしておく(正式に言うとお清めする)くそみたいな仕事ともすっぱり縁が切れたわけで、この分隊長なる紳士のことは便宜上A氏としよう。偉大なる我が国大統領閣下の独特の言い回しに倣えば、プロイセンの暴虐の魔手から文明を救わんとして着手した大仕事をついにやり遂げた我々が味わうはずの湧き立つような高揚感でさえ、御生憎様、なんの因果か俺たちの上官となった男とどうしても打ち解けられなかったがためにいくらか興醒めした。

(e・e・カミングス著/星隆弘訳 『伽藍』)

 

『伽藍』はカミングスの詩からはちょっとイメージできないような、リアルで、それでいて内面的表現に満ちています。だいたいフランス警察に拘引されてゆくシーンが『聖地巡り』ですからね(爆)。戦争の馬鹿馬鹿しさ、その理不尽さは、ヘミングウェイよりもカミングスの作品の方により正確に表現されています。

 

 

連載翻訳小説 e・e・カミングス著/星隆弘訳 『伽藍』(第02回) 縦書版 ■

 

連載翻訳小説 e・e・カミングス著/星隆弘訳 『伽藍』(第02回) 横書版 ■

 

 

第04金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項

第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。

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