高嶋秋穂さんの詩誌時評『No.023 角川短歌 2016年01月号』をアップしましたぁ。馬場あき子、永田和宏、小池光さんのベテラン歌人三人と、穂村弘、永井祐さんの若手口語短歌歌人五人の討議『特別座談会 短歌における「人間」とは何か』を取り上げておられます。高嶋さんも口語短歌に強い興味を示しておられます。

 

高嶋さんは『ジャーナリズム的に言えば『特別座談会 短歌における「人間」とは何か』は馬場・永田・小池さんというベテラン歌人らによる穂村・永井さんの若手口語短歌歌人の吊し上げ座談会という印象になると思います。(中略)しかし(中略)むしろ逆です。ベテランたちが若手歌人がなにを為そうとしているのか真摯に理解しようとしています』と前置きした上で、次のように書いておられます。

 

 はっきり言えば一昔前に比べて若者の精神的成熟が遅れています。エンタメ・メディアが増えその質が格段と上がったこともあり現代では文学好きの若者は特殊な人々になり始めています。その特殊さは少数であるゆえに昔ながらの特権意識を若者の中に育むわけですが以前のように文学仲間が自然と集まって若い内から切磋琢磨することが少なくなっている。純粋培養的に特権的な僕・私という自我意識を育み作品を発表してから初めて他者の厳しい批判に出会うことが多くなっています。だから若手創作者は圧倒的に批判に弱い。批判されると悪口を言われたと反発することも多くなっています。精神的に幼いのに少子高齢化だなんだかんだと言って早く大人になれとせっつかれているのが現代の若者でもあります。極論を言えばそういった大人子どもが生み出したのが口語短歌です。だけどそれは実に面白い。ベテラン歌人はそこに従来の短歌と接続する筋道を見出したいと切望しているのだと言えるでしょうね。

(高嶋秋穂)

 

石川も高嶋さんの批評におおむね賛成です。口語短歌は高邁な理想を掲げて始まったムーブメントではありません。若者の等身大の表現です。ただそれが自然発生的で大きな支持を集めており、その表現がとても面白いのも確かです。

 

でもこのまま行くわけじゃもちろんありません。若者は必ず年を取り次世代の批判的な視線にさらされます。歌人として、あるいは歌壇で確固たる地位を築きたいなら、それなりの理論とさらなる魅力的な実作によって先行歌人たちを納得させなければなりません。若手口語歌人の生き残りは始まったばかりです。手をつないで仲良く前線を突破することはできない。抜け駆け、夜討ち、中央突破など、様々な形で抜け駆けが起こるのはこれからです。文学的抜け駆け、大いにけっこうなことです。

 

 

高嶋秋穂 詩誌時評 『No.023 角川短歌 2016年01月号』 ■

 

 

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