グ・ラ・メ

テレビ朝日

金曜 23:15分~(放送終了)

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 漫画が原作で深夜なので、グルメものなら一種の情報番組ということになろうか。それにしては超豪華キャスティングであるが。数字はあまり上がってないようだが、そもそも深夜だし、主役の剛力彩芽の演技がどうこうというのもよくわからない。漫画の主人公をなぞるのにふさわしい演技力って、なんなんだ。

 

 それでキャスティングについては、なんとなく虫が好く、好かないというのがあって、理屈じゃないと言うとレビューにならないのだけれど、まあ、仕方ない。とりあえず観ようという気にさせてナンボなのだから、多くの視聴者がそういう気になる俳優を連れてくることになるのだろう。

 

 ただ、ネットなどに出ている評判と、実際のテレビでの反響とは違うのではないか、と思うのである。つまりネットに積極的に書き込みなどしたがる層はひと握りで、多くは受動的にテレビを眺め、それでも自身の好みに忠実に選択はするので、マスとしてはっきり評価が出る。そしてどちらかといえば、後者の方が比較的高い年齢層の好みをも正確に反映するだろう。大人になれば、ネットに書き込む暇はなくなる。

 

 そういうわけで、自分もまた比較的高い年齢層に属するのかもしれないが、このドラマのキャスティングは虫が好く。それも特にネットであれこれ書かれる剛力彩芽よりむしろ、総理大臣役の小日向文世の方だ。小日向文世が総理大臣役と聞いては、観ずにはいられない。こういう視聴者の存在は、あらかじめ計算に入っているだろうか。たぶん、全然入ってないだろう。

 

 それでも小日向文世をキャスティングした、というところが結局、キャスティングの妙味というものだし、そのセンスが虫が好く気がすると、一部の視聴者(自分のことだが)に思わせるということだ。要するに小日向文世のファンだと言っているだけに聞こえるだろうが、このドラマで際立つのはその総理大臣の品のよさで、そうか、小日向文世というのは品のよい俳優だったのだ、と初めて気がつく。

 

 それでもちろん、剛力彩芽からも目が離せなくて、どうしてこのコは映るたびに違う顔をしているのだろう。子供みたいな、男のコみたいな、立ち姿もすっきりしているのが最大の魅力だけれど、目尻にシャドーをほどこした眼差しのえもいわれぬ色っぽさ。大人でも子供でもなく、女でも男でもないようで言葉にしがたい。

 

 加えて、なんでこんなに上手い必要があるのかと思うような、エンディングに流れるダンス。まあ、どこをとっても得がたいコなのだ。それを美人じゃないとか、自分たちとたいして変わらないみたいに思うのが若いもん特有の勘違いだ。ネットに書かれている「事務所のゴリ押し」って、オスカープロモーションだよ。オスカーにゴリ押しされる存在って、すでにたいへんだとわからないか。

 

 ドラマにはときどき、主な登場人物のキャスティングがすべて自分の虫が好く俳優、ということがある。それは制作のイメージの根幹とか、そういったものが自分には飲み込みやすいということで、観ていて抵抗を感じない。そんなのは単なる好みで、レビューではないかもしれないが、好みは価値観によって形作られてもいる。

山際恭子

 

 

 

 

■ 原作者 西村ミツル(作) 大崎充(画)さんの本 ■

グ・ラ・メ!~大宰相の料理人~ 1巻 aki (1) (近代麻雀コミックス)

 

 

■ 予測できない天災に備えておきませうね ■