小松剛生さんの連載ショートショート小説『僕が詩人になれない108の理由あるいは僕が東京ヤクルトスワローズファンになったわけ』『第017回 英国式風(ふう)バランス理論/ミスチル的縄文時代について/靴下とアメリカ』をアップしましたぁ。完成度の高いショートショート小説です。

 

 いつだったか、僕がとても根本的な質問をしたことがあった。

 「だいたい先輩はどうして広島カープファンなんですか」

 「世界のバランスを保つためだよ」

 正直言って、その言葉の意味はよくわからなかった。よくわからなかったけど、迷うことなく答えてくれる先輩が僕は好きだった。

(小松剛生『英国式風(ふう)バランス理論』)

 

作品の完成度が高いといふことは、バランスが取れているということです。ただこれはなかなか難しい。崇高な目標を掲げて作品を書こうとしても、作家に経験や知識、技術がなければうまくいきません。またその反対に、自分の身の丈に合った主題や技法で作品を書いても読者を振り向かせるのは難しい。

 

はっきし言えば、他人は原則として自分以外の人や作品に興味を持ちません。その無関心だらけの他者を振り向かせるためには、何らかの形で無理をしなければならない。文学業界を走り回ってお友達を作り注目を浴びようするのが嫌なら、作品でそれを実現しなければなりません。小松さんの場合、微妙なバランス感覚が作品を優れたものにしていると思います。

 

広島カープファンであるのは「世界のバランスを保つためだよ」といふ先輩の言葉、石川はよく理解できます。このバランスが何によって保たれているかといふと、撞着的な言い方になりますが、バランスを保とうとする力によってです。つまり中心はない。それを探ろうとすれば空虚に突き当たります。小松さんはほとんど世界の原理となりつつある空虚の上に、バランスある言語世界を作りあげられる作家です。足元には空虚が拡がっているわけですから、そのブラックホールのような空虚に向けて現実世界が雪崩れ込んでくる。つまり作品を量産できるのです。

 

 

小松剛生 連載ショートショート小説 『僕が詩人になれない108の理由あるいは僕が東京ヤクルトスワローズファンになったわけ』『第017英国式風(ふう)バランス理論/ミスチル的縄文時代について/靴下とアメリカ』 pdf ■

 

小松剛生 連載ショートショート小説 『僕が詩人になれない108の理由あるいは僕が東京ヤクルトスワローズファンになったわけ』『第017英国式風(ふう)バランス理論/ミスチル的縄文時代について/靴下とアメリカ』 テキスト ■

 

 

Web文芸誌のパイオニア 文学金魚大学校セミナー開催(新人支援プロジェクト)

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Web文芸誌のパイオニア 総合文学ウェブ情報誌文学金魚は、文学金魚執筆者によるシンポジウムと参加者の自由な質疑応答による参加型セミナーを開催します!。

 

日時2016年06月18日(土曜日)

開始時間午後03時30分~

場所近日中に発表します

参加費3,500円

懇親会費(オプション):2,000円

* セミナー修了後に懇親会を開催します。参加はご自由です。

 

テーマ ■

【テーマ】ジャンルの越境

純文学ラノベ、ロマンチック・ミステリ、純文学ホラー、自由な物語詩など、従来の文学ジャンルとは異なるオルタナティヴな文学を創り出すことを目指します。

【司会】

山田隆道(作家・TVコメンテーター)・小原眞紀子(詩人・東海大学文学部文芸創作学科非常勤講師)

 

プログラム(予定)■

シンポジウム

第一部 偏態小説と純文学エンタメ小説について

三浦俊彦(作家・東京大学大学院教授)

遠藤徹(作家・同志社大学教授)

第二部 ラノベと(純)文学について

仙田学(作家)

西紀貫之(作家・フリーライター)

リード小説大賞決定!

山田隆道(作家・TVコメンテーター)発案のリード小説(詳細は下記または『第一回『文学金魚大学校セミナー』開催記念インタビュー リード小説の意義について』参照)の大賞を決定し、大賞・奨励作については文学金魚への作品掲載を検討(バックアップ)します。

第3回金魚屋新人賞第一次審査通過作紹介

懇親会

いけのり(占い師・エッセイスト)の占いコーナーなど。

 

 

Web文芸誌のパイオニア 文学金魚大学校セミナー(新人支援プロジェクト)の趣旨

・才能ある若い作家の作品が発表できない、キャリアのある作家なのに一番出したい本にかぎって出ない、学者の卵の奨学金ですら返還義務があるなど、現在ではさまざまなジャンルが細分化され、文化間の交流がなくなっています。

・こんな時代だからこそ、文学金魚は創作者と読者、ジャンルとジャンルを繋ぐメディアとして誕生しました。

・セミナー参加者は新しい文学と出版カルチャー誕生の当事者・目撃者になれるかも!

・読むことと書くことの、あのワクワク感をみんなで取り戻そう!

 

【リード小説とは ~あなたの〝リード小説〟大募集!~】

・リード小説とは、あなたがすでに書いた、あるいはこれから書こうとしている未発表オリジナル小説の大筋やセールスポイント等をまとめた、映画でいえば、予告編です。

・文学金魚大学校第01回セミナーのお題として、書き下ろしリード小説をツイッター上で大募集します。完成原稿があるかどうかは問いません。

・選考は山田隆道(『第一回『文学金魚大学校セミナー』開催記念インタビュー リード小説の意義について』参照)が行います。講師の文学金魚連載作家陣も選考に加わります。リード小説から作家デビューの扉が開かれるかも。

・試されているのは自己プロデュース能力です。気楽に楽しんでください!

 

【総合文学ウェブ情報誌文学金魚について】

・文学金魚はジャンルの垣根を取り払い、文化融合的な状況の中から新たな日本文化を創・出することを目指します。

・セミナー参加者は楽しいお題で盛り上がるもよし、懇親会で人脈を広げるもよし。新たな文学シーン誕生のワクワクする瞬間、その当事者・目撃者になれるかもしれません。

・今は積極的に自己アピールし、様々な方法で作家としての活路を切り開いてゆける時代です。ネットと紙出版のインタラクティブな関係性にリアルな人間の息吹きを吹き込んで、文学カルチャーのホットスポットを創り出そう!