山際恭子さんのTVドラマ批評『No.112 あさが来た』をアップしましたぁ。NHKさんの朝の連ドラで、このところ朝の連ドラの視聴率は絶好調です。

 

山際さんは『あさが来た』について、『フツーの朝の連ドラなのだ。(中略)『あまちゃん』の物語批判性、ポストモダニズムに快哉を叫んだのは、大学でポストモダンを学んだ人々とか、ポストモダン的な現在を実感する若い人たちではなかったか。(中略)しかし朝の連ドラを観る人々の大半は、Twitterなどやっていない。(中略)それらの人々はたいてい、黙って観ているのである。(中略)我々は足を運ぶ必要もない、ある種のテレビドラマにただなんとなく惹きつけられて観る。その鉱脈を、しかし現在の「朝の連ドラ」は確かに掘り当てたのだ。(中略)ある本質をつかみ、すべてをそれによってコントロールできていると見える』と書いておられます。

 

また山際さんは、『その本質とは、ドラマの王道とは裏腹に、ドラマへの見切りのつけ方に依っている。ようはノンフィクションの、事実の持つ力をテコにしている、ということだ。(中略)現在の「時代を変えた、社会や男たちに影響を及ぼした」実在のヒロインたちが我々に与えるのは、事実に基づいた「情報」である。「啓蒙」と言ってしまうと、そこにはまたフィクショナルな眉唾が生じる。朝の連ドラのヒロインは、いまや大河ドラマの要件をも備え、さらに女性であるがゆえの日常的リアリティをもって、しかも毎朝、我々に迫る。無敵なはずである』と批評しておられます。

 

フィクションの質が、緩やかに変化せざるを得ない時代なのでしょうね。大地震が頻発し、複雑な問題を背景とした世界的テロの時代をわたしたちは生きています。また政府やマスメディア発表の大文字の情報とは別に、様々な情報を取得できる高度情報化時代でもあります。このような時代にノンフィクションが人々を惹きつけるのは当然のことです。逆に言えば中途半端なフィクションは大きな支持を得られない。フィクションを使うにしても、現代がなぜこうなったのかの〝根〟を探るような視点が必要です。

 

荒唐無稽なフィクション世界を設定するにしても、それが現代の根に繋がっていなければ、大きなヒットにはならないでしょうね。また現実の事件などを題材にしても、単にそれを利用するだけではもう読者は満足してくれない。地震、原発、オウム、テロなどの社会的事件をちょこっと借りてきて作品を書いてもダメなのです。ノンフィクション的手つきだけではダメなのであり、その本質に迫らなければならない。

 

どうやら年齢とは別に、作家は近い将来、旧世代と新世代に大きく分かれそうです。新たな時代潮流を敏感に感受して〝面白い〟と感じる世代と、どこかで〝取り残されそうだ〟と感じる世代です。石川は現代の変化をムチャクチャ面白いと思います。今は多くの作家にとってチャンスの時代です。時代潮流の半歩、一歩先のヴィジョンを持つ作家を文学金魚でフューチャーしていきたいですね。社会は大きな歯車であり、その動きは遅いですが、やっぱり歯車は回り、時代は変わるのです。しがらみのない、あるいは今までのしがらみを棄てた作家がそれを為せるのだと思います。

 

 

山際恭子 TVドラマ批評 『No.112 あさが来た』 ■

 

 

Web文芸誌のパイオニア 文学金魚大学校セミナー開催(新人支援プロジェクト)

文学金魚セミナー_001

Web文芸誌のパイオニア 総合文学ウェブ情報誌文学金魚は、文学金魚執筆者によるシンポジウムと参加者の自由な質疑応答による参加型セミナーを開催します!。

 

日時2016年06月18日(土曜日)

開始時間午後03時30分~

場所近日中に発表します

参加費3,500円

懇親会費(オプション):2,000円

* セミナー修了後に懇親会を開催します。参加はご自由です。

 

テーマ ■

【テーマ】ジャンルの越境

純文学ラノベ、ロマンチック・ミステリ、純文学ホラー、自由な物語詩など、従来の文学ジャンルとは異なるオルタナティヴな文学を創り出すことを目指します。

【司会】

山田隆道(作家・TVコメンテーター)・小原眞紀子(詩人・東海大学文学部文芸創作学科非常勤講師)

 

プログラム(予定)■

シンポジウム

第一部 偏態小説と純文学エンタメ小説について

三浦俊彦(作家・東京大学大学院教授)

遠藤徹(作家・同志社大学教授)

第二部 ラノベと(純)文学について

仙田学(作家)

西紀貫之(作家・フリーライター)

リード小説大賞決定!

山田隆道(作家・TVコメンテーター)発案のリード小説(詳細は下記または『第一回『文学金魚大学校セミナー』開催記念インタビュー リード小説の意義について』参照)の大賞を決定し、大賞・奨励作については文学金魚への作品掲載を検討(バックアップ)します。

第3回金魚屋新人賞第一次審査通過作紹介

懇親会

いけのり(占い師・エッセイスト)の占いコーナーなど。

 

 

Web文芸誌のパイオニア 文学金魚大学校セミナー(新人支援プロジェクト)の趣旨

・才能ある若い作家の作品が発表できない、キャリアのある作家なのに一番出したい本にかぎって出ない、学者の卵の奨学金ですら返還義務があるなど、現在ではさまざまなジャンルが細分化され、文化間の交流がなくなっています。

・こんな時代だからこそ、文学金魚は創作者と読者、ジャンルとジャンルを繋ぐメディアとして誕生しました。

・セミナー参加者は新しい文学と出版カルチャー誕生の当事者・目撃者になれるかも!

・読むことと書くことの、あのワクワク感をみんなで取り戻そう!

 

【リード小説とは ~あなたの〝リード小説〟大募集!~】

・リード小説とは、あなたがすでに書いた、あるいはこれから書こうとしている未発表オリジナル小説の大筋やセールスポイント等をまとめた、映画でいえば、予告編です。

・文学金魚大学校第01回セミナーのお題として、書き下ろしリード小説をツイッター上で大募集します。完成原稿があるかどうかは問いません。

・選考は山田隆道(『第一回『文学金魚大学校セミナー』開催記念インタビュー リード小説の意義について』参照)が行います。講師の文学金魚連載作家陣も選考に加わります。リード小説から作家デビューの扉が開かれるかも。

・試されているのは自己プロデュース能力です。気楽に楽しんでください!

 

【総合文学ウェブ情報誌文学金魚について】

・文学金魚はジャンルの垣根を取り払い、文化融合的な状況の中から新たな日本文化を創・出することを目指します。

・セミナー参加者は楽しいお題で盛り上がるもよし、懇親会で人脈を広げるもよし。新たな文学シーン誕生のワクワクする瞬間、その当事者・目撃者になれるかもしれません。

・今は積極的に自己アピールし、様々な方法で作家としての活路を切り開いてゆける時代です。ネットと紙出版のインタラクティブな関係性にリアルな人間の息吹きを吹き込んで、文学カルチャーのホットスポットを創り出そう!