第02回 金魚屋新人賞 第二次審査通過作品発表(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)をアップしましたぁ。第02回金魚屋新人賞にたくさんのご応募ありがとうございました。心から感謝申し上げます。応募総数は161作品で、そのうち19作品が第二次審査通過となりました。

 

時代は大きく変わりつつあります。社会全体の変化に呼応して、文学の世界でも1990年代頃に大きな〝リセット〟が入ったと実感します。戦後に優れた仕事をした作家でも、90年代以降の新たな社会に対応できなければ、その仕事の価値が低減する危機に瀕しています。また90年代から活動し始めた作家の仕事の評価は未だ流動的です。ベテラン作家も若手作家も現代の核心と未来のヴィジョンを掴みきれていないわけです。

 

夏目漱石に倣って言えば、文学的過渡期には〝偶然と僥倖で社会的評価を得る〟作家が出ます。しかし真に新たなヴィジョンを掴んだ作家が出現すれば、そういった作家の仕事は忘れ去られます。明治20年代に活動した尾崎紅葉や幸田露伴、明治40年代に活動を開始した漱石を想起すればわかりやすいでしょうね。この3人は同い年ですが、明治時代で一番小説が売れたのは紅葉で、近・現代小説の祖となったのは漱石です。現代は苦しい時代ですが、誰もが未来の文学の礎となる作家になり得るチャンスの時期でもあります。

 

また明治40年代は近代出版ジャーナリズムの勃興期でしたが、現代でもその萌芽は見られます。既存の紙メディアとネットメディアをどう上手く組み合わせてゆくのかが、文学を含む全メディアの未来につながっていると思います。ネット時代は個の情報発信が驚くほど簡単です。力のある作家は従来のように、〝誰かに作家にならせてもらう〟のではなく、情報発信力を最大限に活用して、〝自力で作家になる〟道が開ける可能性があります。新人・既存作家を問わず文学金魚が求めているのは、作品内容はもちろん、作家自身の現実認識としても現代的変化を的確に感受している作家です。

 

 

第02金魚屋新人賞 第二次審査通過作品発表(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通) ■

 

第03金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■