山本俊則さんの美術展時評『No.040 ブリヂストン美術館 ベスト・オブ・ザ・ベスト展!』をアップしましたぁ。東京駅八重洲口から歩いて五分ほどの場所にある、ブリヂストン美術館の名作展を取り上げておられます。ブリヂストン美術館は現在本社ビルの建て直し中で閉館していますが、閉館前に開催されたベスト・コレクション展です。ブリヂストン美術館さんは印象派を中心とした絵画コレクションで有名です。
ブリヂストン美術館のコレクションは、創業者・石橋正二氏の蒐集品が中心になっています。山本さんは、『石橋氏の審美眼に沿って選ばれた作品は日本人好みの西洋絵画である。・・・洋画が明治維新以降に生まれた新たな絵画ジャンルだということを考えれば、まず西洋絵画を集め見ることが洋画を生み出したのである。ブリヂストンのコレクションを見ていると、日本の〝洋画受容の歴史〟が手に取るように伝わってくる』と書いておられます。
またブリヂストン美術館は、日本の初期洋画のコレクションでも有名です。山本さんは『初期の日本の洋画家たちは〝光〟に苦しんだ。印象派の画家たちがいとも容易く表現する、光溢れる風景をなかなか我が物とすることができなかったのである。しかし私小説にも通じるような〝暗さ〟は日本の洋画独自の表現可能性をも含んでいるだろう。・・・ブリヂストン美術館に行けば、洋行経験のある初期洋画家の作品と日本で制作し続けた作家の作品を、じっくり見比べ鑑賞することもできる』と批評しておられます。じっくりお楽しみください。
■ 山本俊則 美術展時評『No.040 ブリヂストン美術館 ベスト・オブ・ザ・ベスト展!』 ■