日本にはたくさんの美術館があり、毎月のように趣向を凝らした美術展(企画展)が開催されている。下世話な話だが、現在の観覧料は平均1200円から1500円ほどで、1800円の映画鑑賞料と比べても決して安くはない。美術好きはそれなりの料金を払い、お目当ての作品を見るのを楽しみに美術展に出かけているのである。

 

 しかし開催前に雑誌やテレビで美術展の概要が紹介されることはあっても、その内容がどのくらい満足できるものだったのかといった批評はあまりみかけない。どこにあっても作品は作品だが、様々な美術館やコレクターから作品を集めて展示する美術展は一種の興行である。当然、出来不出来はある。また美術展を開催すること自体が大きな意味を持っていることもある。

 

 美術研究は日進月歩で進んでいる。美術展は時に最新美術研究発表の場でもある。しかし権威ある美術館で開催されたとしても、その内容が学界の定説になるとは限らない。新たな研究成果によって定説がひっくり返されることも珍しくない。つまりときどきの美術展はナマモノという側面も持っている。新説・新発見に基づく美術展などの場合は、企画者の皆さんも率直な意見のフィードバックがなければ物足らないのではないかと思う。

 

 そこで金魚屋では一定の基準を設け、継続的に美術展時評を行っていきたい。評価は「総評」「展示方法」「カタログ」について点数制で行う。美術展は開催するのにとても労力のかかるイベントで、またそれなりの料金を取っているわけだから、平均点は80点としたい。80点ならば満足できる美術展だということで、この点数を上回るか下回るかした時は、なんらかの特筆すべきポイントがあったのだと考えていただきたい。

 

 各項目の点数はあくまで各批評者が下した評価だが、金魚屋が行うのはすべて自腹で見に出かけた美術展の具体的批評である。これから美術展をごらんになる方はもちろん、見逃してしまい、あとからカタログを買い求められる皆さんも参考にしていただければ幸いである。

山本俊則

 

 

 

■ 予測できない天災に備えておきませうね ■