No.035 『安井浩司 「俳句と書」 展』 開催記念コンテンツ、山本俊則さんの 『安井墨書句漫読』 『 No.018 『鶸湧くや異木ふたつの十文字』 』 をアップしましたぁ。安井さんの 『鶸湧くや異木ふたつの十文字』 も難解な句ですねぇ。いわゆる伝統的俳句評釈では絶対に読み解けない作品だと思います。山本さんは構造主義的読解法を採っておられますが、それは正しい。すべての俳句作品が単語の意味やイメージから読み解けるわけではない。作品構造から読解するしかない俳句もあると思います。
そんで山本さんは美術が専門で蒐集家でもあるので、安井さんは別として、不肖・石川も大好きな永田耕衣さんや高柳重信さんの墨書はお持ちですかと聞いてみました。『持ってますよ』 といふお返事だったので、例によってミーハー的に 『譲ってくださひ~』 とお願いしたところ、『いーですよ』 といふかる~いお言葉 (笑)。とりあえず耕衣さんの墨書を譲っていただくことになりました。石川は耕衣さんの 『恋猫の恋する猫で押し通す』 を入手できることになったのであります。
耕衣さん 52 歳の時に刊行された 『驢鳴集』 (1952年) 収録の作品です。艶っぽい作品ですが、俳句伝統に根ざしながら、生涯新たな表現を求める前衛志向の作家として筋と意地を通し抜いた耕衣さんらしい句です。特異かもしれないが、自分固有の俳句への恋情を、最後まで押し通すのだといふ述志の句と読み解いても面白いかと思います。山本さんは 『けっこう若い頃の作品じゃないかなぁ。少なくとも晩年ではないな』とおっしゃっていました。
■ No.035 『安井浩司 「俳句と書」 展』 開催記念コンテンツ 山本俊則 『安井墨書句漫読』 『 No.018 『鶸湧くや異木ふたつの十文字』 』 ■