山本俊則さんの 『美術展時評No.028 夏目漱石の美術世界』 をアップしましたぁ。漱石先生の小説や評論・エセーに登場する美術作品を、できる限り集めた展覧会です。先生の原稿や蔵書を展示する展覧会は今まで何度も開かれていますが、関連美術作品を展示した美術展は初めてのようです。かなりレベルの高い美術作品が集まったようですね。
不肖・石川も、何度か○○文学館に行ったことがあります。ま~なんといふのでしょう、地味ですねぇ (笑)。生原稿や作家が使った万年筆やメガネを見て、ど~すんのよといふ感じがしないこともない (笑)。そういう 〝文学的アトモスフィア (雰囲気)〟 が大好きな方もいらっしゃるのでしょうが、石川はピンときません。そこに作家旧蔵の美術作品が飾ってあると、会場がパッと明るくなります。最初から不特定多数の人に見られることを意識したプロの美術家の作品は、やっぱ迫力がありますねぇ。作家は結局のところテキストがすべてだと思います。
漱石先生はだいぶ書画を描き残されました。山本さんにお聞きしたのですが、漱石先生の書画は 『美術年鑑』 で 1 千万円の値段が付いているそうです。ただし 『『美術年鑑』 の評価はご祝儀だから、実際はその約 4 分の 1、200 から 250 万くらいで取引されてるものが多いよ』 とのことでした。『げっ高い』と石川が呻きますと、山本さんは 『でも書画を掛けていて、来客が振り向いて 〝マジホンモノ?〟 と聞いてくれる文学者は漱石くらいしかいないよ』 とおっしゃいました。確かにそうかもしれません (笑)。
■ 山本俊則 『美術展時評No.028 夏目漱石の美術世界』 ■