No.028【対話 日本の詩の原理】『日常の重圧―岩田宏篇』池上晴之×鶴山裕司×萩野篤人 をアップしましたぁ。岩田さんは大岡信、飯島耕一、吉岡実、清岡卓行さんと5人で刊行した同人詩誌「鰐」同人です。戦後の詩の設立者(ファウンダー)のお一人ですね。また非常に高い詩人の資質を有し、優れた詩を書きながら谷川雁、堀川正美さんらと同様に詩を書かなくなった詩人でもあります。戦後詩が60年代以降の平穏な日常にさらされ衰弱してゆく時代に、作品はもちろん、その姿勢でも非常に重要な役割を果たした詩人です。
で、石川は鶴山さんから聞いて初めて知ったのですが、詩誌の原稿依頼は雑誌刊行の一ヶ月くらい前だそうです。これには驚きました。ハッキリ言ってマトモな原稿が書けるわけがない。大急ぎで資料を集めて読んで書くわけですが、それなりに頑張ったので作家は書き飛ばし原稿だとは気づかない。むしろよく頑張りましたと自分を誉めてあげるだろうなぁ(笑)。で、原稿はほぼノーチェックで掲載されるらしい。「ひと月で消えちまう依頼原稿を次々こなすのが詩人になったってことだと勘違いしてしまうんだね。それがいつまでたっても詩壇でしか通用しないジャーナリズム小僧・小娘を育てるのさ」と鶴山さん。鶴山さん、普段はとぉっても口が悪い(爆)。でも詩の世界の裏の裏まで知っている人の言であります。
詩の世界と無縁の石川が大局で捉えていることを書きますと、戦後の詩論の柱になったのは鮎川信夫『戦中手記』、入沢康夫『詩の構造についての覚え書』+岩成達也『詩的関係の基礎についての覚書』、吉本隆明『戦後詩史論』の4冊です。いずれも時間と労力のかかった仕事です。大局的に言ってほかの詩論はこの4冊のバリアント。このたった4冊に枝葉を付けて何十年も詩壇ジャーナリズムは回っていた。軸になる労作が存在しなければ詩壇ジャーナリズムは機能しないということです。そして今軸は不在。詩壇ジャーナリズムは自社で自費出版した詩人たちを、ゆとり教育の全員仲良くお手々つないでゴールの小学生のやうに、順ぐりにスポットライトを当ててぬか喜びさせてあげてるだけ。その結果、俺の、私の詩が一番でしょの阿鼻叫喚で大混乱しています。
池上さんと鶴山さんの【対話 日本の詩の原理】は時間と労力がかかっています。一ヶ月や二ヶ月の付け焼き刃でできる仕事ではありません。ほぼ書き下ろしに近い緻密な詩の分析と実作のための具体的ヴィジョン満載です。歴史は繰り返しますが、決して過去と同じ形では繰り返されない。対話ですが【日本の詩の原理】で示された思想や詩史はこれからの自由詩の軸となると思います。あ、現代詩ではなく自由詩ですね。この定義の端緒も鶴山さんです。詳しくは【日本の詩の原理】をお読みあれ。どーしても詩は「現代詩」でなくてはならないのなら、その根拠を論理的に提示してみそ。
■No.028【対話 日本の詩の原理】『日常の重圧―岩田宏篇』池上晴之×鶴山裕司☓萩野篤人 縦書版■
■No.028【対話 日本の詩の原理】『日常の重圧―岩田宏篇』池上晴之×鶴山裕司☓萩野篤人 横書版■
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