紫雲 連載小説『クローンスクール』(第11回)をアップしましたぁ。今回はクローンの美雨が彼女自身の意志で囚われの身となり、その意志を貫徹しようとする章です。それに従って均一的なクローンスクール(社会)の秩序も徐々に崩壊していきます。
Photoshopで画像処理をしておられる方は多いと思います。基本的に複数のレイヤーを重ね合わせて複雑な画像を作ってゆきますね。この技法はいろんな分野で広がっているように感じます。重ねて少しだけオリジナルを変化させる。重ね続けてオリジナルとは違う像を生み出す。文学の二次創作やコスプレイヤーにもそのようなムーブメントを感じ取れます。
紫雲さんの『クローンスクール』は多視点小説で登場人物が駒のように使われていますが--実際登場人物たちは番号で呼ばれます――レイヤーを重ねてゆく手法で書かれた小説だと言うこともできるのではないかと思います。レイヤーの重なりの中に作品の世界観が浮かび出る。新しいタイプの小説です。
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