遠藤徹 連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第33回)をアップしましたぁ。漱石『三四郎』のヴァーチャル体験も大詰めに近づいてまいりました。『虚構探偵』も大詰めということですね。
今国会図書館などで書籍のデータ化が急ピッチで進んでいます。映画やドラマがネット配信になり、音楽がダウンロードなどにシフトしたように、紙の本がなくなるかどうかは別として書籍をデータで貸し出すようになるのは時間の問題です。その場合どういう形で貸し出すのか。テキストは論外で今一番簡単なのはpdfですが、これは実は簡単に書き替えられる。サーバにアクセスしてオリジナルを書き替えるハッカーも現れるかもしれません。『虚構探偵』のヴァーチャル体験読書もじゅうぶんありそうです。
で、『三四郎』は『坊ちゃん』と並んで漱石で一番人気のある小説です。爽やかな青春小説はこの二作だけなのです。青春小説ということは、主人公の三四郎も坊ちゃんも未熟。乱暴なことを言えば社会経験が足りない単細胞(よりちょっと上)といった人物造形です。しかし小説でこういった作者よりも経験値も知的レベルも低い主人公を描くのは案外難しい。たいていの小説の主人公は知的なんですね。そういう人物を描き切った漱石先生、さすがです。
■遠藤徹 連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第33回)縦書版■
■遠藤徹 連載小説『虚構探偵―『三四郎』殺人事件―』(第33回)横書版■
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