No.041 池田浩 大学文芸誌時評―藤沢周「外道丸」(三田文學 2023年秋季号)をアップしましたぁ。三田文學さんは文学金魚と同様に、綜合文学的な誌面で親近感が湧きます。小説はもちろん、短歌、俳句、自由詩、評論、外国文学と幅広く掲載しておられます。伝統的に小説中心なのでしょうが、意欲的誌面構成です。
石川は文学をジャンル別に捉えることに反対です。詩と小説、評論にはそれぞれ役割があり、一体化することで初めて文学という表現の全貌が見えて来る。もちこれは作家の専門性とは別です。作家には資質がありますから、専門ジャンルが定まってゆくのは自然なことです。しかし一つのジャンルばかり見つめる精神は、文学の原理から言っても文学を巡る今の厳しい状況から言ってもなんらプラスにならないと思います。
ただ文学を綜合的に捉えるという方針は、それを実践できる作家が登場しなければ説得力を持ちません。編集マジックでジャンル越境的特集を組んでも作家は踊ってくれない。中心となる作家が必要です。そういう意味では雑誌編集も作家次第。軸になる作家がいなければ単に目配りのいい雑誌になってしまう。軸となる作家が登場して初めて、メディアの編集方針は確固たるものになります。
■No.041 池田浩 大学文芸誌時評―藤沢周「外道丸」(三田文學 2023年秋季号)■
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