ラモーナ・ツァラヌさんの連作小説『蓮・十二時』(第04回)[連作小説『蓮』その一]をアップしましたぁ。いよいよ物語の核心に迫ってきました。主人公アンナと蓮君の関係が朧に見えて来ましたね。ただあくまでもパラレルワールドのお話です。これが直線的に結末まで続くのかどうかは最後までわかりませんです、はい。
ラモーナさんの小説はパラレルワールドモノが多いです。これは作家の精神構造が反映されているんでしょうね。乱暴に言えば地上と天上の世界がある。それが交わるポイントが小説ということになるでしょうか。小説では天上の観念がテーマであるとしても、あくまで地上の物語を地上で終わらせなければなりませんから。
またラモーナさんが能楽の研究者である理由も、そのあたりからうっすら繋がっているように思います。能は幽玄の極みですが、舞台は現世でしかも決して成仏できない幽鬼が現れる。正確には能が上演されるたびに幽鬼が現れ、とりあえず結末では成仏して、しかし決して成仏していないことが次の上演で明らかになる。比喩的言い方ですが。このあたりの直観では真理ですが、現世的には矛盾を孕む構図をどうやって統合してゆくのかが、ラモーナさんのパラレルワールド小説の醍醐味かもしれません。
■ ラモーナ・ツァラヌ 連作小説『蓮・十二時』(第04回)[連作小説『蓮』その一]縦書版 ■
■ ラモーナ・ツァラヌ 連作小説『蓮・十二時』(第04回)[連作小説『蓮』その一]横書版 ■
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