ラモーナ・ツァラヌさんの連作小説『蓮・十二時』(第02回)[連作小説『蓮』その一]をアップしましたぁ。『蓮・十二時』は[連作小説『蓮』その一]に当たります。どうなるのかは正確に把握していませんが、〝蓮君〟あるいは〝蓮〟を中心にして連作が書かれてゆくようです。
連作最初の『蓮・十二時』は全5回掲載です。四〇〇字詰め原稿用紙約60枚になります。このくらいの枚数が小説としては一番書きやすいのではないかと思います。短い小説の方が簡単という意味ではありませんが、小説というものは枚数が多くなればなるほどハードルが上がってゆきます。アイディアと言いますか小説内の事件といいますか、小説に必須の読者を飽きさせない展開が長編になればなるほど必要になるからです。またそれを一貫したものにするための構造も必要になります。
お書きになったことのある方はおわかりでしょうが、小説という表現は事件(出来事)をパクパク食べます。これとこれとこれで60枚書けるだろうと思っていても、書いてみると30枚くらいで尽きるといったことはよくあります。で、30枚に混ぜ物をして60枚にすると小説が歪む。要するに不出来な作品になってしまう。
当たり前ですが優れた作品には贅肉がありません。作家は必要なことしか書いていないと思っていても、読者は「タラタラしてんなー」と感じることもよくあります。見知らぬ人に面白く小説を読んでもらうのは簡単ではないということです。ですから自己中は厳禁。常に他者の、読者の視線を意識する必要があります。そういうハードルを枚数とともに越えてゆくと自ずと小説をどう書けばいいのかわかってきます。
■ ラモーナ・ツァラヌ 連作小説『蓮・十二時』(第02回)[連作小説『蓮』その一]縦書版 ■
■ ラモーナ・ツァラヌ 連作小説『蓮・十二時』(第02回)[連作小説『蓮』その一]横書版 ■
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