辻原登奨励小説賞佳作の、松原和音さんの連載小説『一月のレモネード』(第2回)をアップしました。推薦での大学進学を控えた女子高生ミクが主人公の物語です。今年から新成人の年齢が18歳になりました。ということは大学生は大人という定義になります。しかし危ない誘惑は世の中にたくさん転がっているわけでして。
松原さんの『一月のレモネード』は都会、というより東京ならではのソフィスティケートされた世界です。ベンチャー系の起業家の青年たち、ファッショナブルな女性たちが集う社会人サークルが舞台です。もちろんそれだけでは終わらないわけでして、底の方には何かが蠢いている。ただドンパチは始まりません。底にあるのはもっと気味の悪い何かかもしれません。
どのメディアにも傾向があるわけで、『一月のレモネード』は金魚屋といいますか、辻原登先生好みの作品です。きちんと仕上がっている。ただ辻原先生は新人作家に対して常に次の次を見なさい、考えなさいと先を求める作家です。つまりきちんと小説を仕上げられることがスタート。それを簡単に、何作でも続けられるようになれば作家の道は開けるだろうということです。
■ 松原和音 連載小説『一月のレモネード』(第2回)縦書版 ■
■ 松原和音 連載小説『一月のレモネード』(第2回)横書版 ■
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