小原眞紀子さんの連載小説『幕間は波のごとく』第07回をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ-現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの連載サスペンス小説です。中年に差しかかった姉妹を主人公集団にしたサスペンス小説です。これからの時代に合っている小説ですね。どうやら主人公の末の妹がトラブルメーカーのようですが、そこは大人の集団、それぞれがそれぞれの思惑というか都合によって動くので関係性が錯綜してゆきます。こんなところからサスペンスが生じるんだなぁ。
石川は小説はけっこう読みますが、現代は女性作家の時代だなぁと思うことしばしばです。男の作家は元気がないんです。確かにグローバル社会とかコロナとかいろんな社会問題をネタにして小説を書いたりしているわけですが、どーもピントが合ってない。まーそれはそうだろうなーと思います。現代社会の先行きは不透明で、小説家にそれが見通せるくらい簡単なら世話がない(笑)。社会小説はだいたいアウトというのが石川の感覚です。
で、女性作家はもっと地に足が着いている。仕事だけじゃなくてマルチタスクなんですね。その幅広い視点の方が小説は圧倒的に書きやすいところがあります。男の作家のように大上段に構えないで足元から物語を紡ぎ出して徐々に社会全体に、世界全体に上げてゆく。小原さんの小説もそうですね。日常生活の綻びからサスペンスが生まれ、それが本源的な人間の欲望とかエゴに繋がってゆくことが多いのです。
■ 小原眞紀子 連載小説『幕間は波のごとく』第07回 縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連載小説『幕間は波のごとく』第07回 横書版 ■
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