遠藤徹さんの連載マンガ『キノコの森』(第13回)&連載小説『物語健康法(入門編)』(第23回)をアップしましたぁ。『物語健康法(入門編)』は最終章「ワン・オン・ワン物語合戦」)(四)です。決闘編といったところです。
われら言霊師の一族にとって、人心を操るなど造作ないこと。
すぐにも犯人は特定される。なぜなら、真犯人である必要などないからだ。
ほんとうに、その物語を作った人物である必要などは無い。
一度「こいつが犯人だ!」と声を荒げて糾弾してやれば、その人物が否定すればするほど、「怪しい」、「盗人猛々しい」、「反省の色がない」、「これだけ否定すると言うことはやっぱり黒なんだ」、と国民の感情はほっておけばおくほど高まっていくことだろう。
遠藤徹『物語健康法(入門編)』
『物語健康法(入門編)』にはちょこちょこ現代文化批判が入り混じります。物語は小説や童話、ドラマ、演劇、映画に限らず人間世界に根深く入り込んでいます。それが世界を動かしていると言っていいところがある。突発的に起こった事件や事故であろうと、時間が経てばそれは物語化してゆく。そういった物語はある本質や真理を開示してくれることもありますが、人を誘導して一定方向に導いてゆくこともある。とても大きな力を持っているわけです。その善でもあり悪でもある物語の力をどう見きわめ活用してゆけばいいのか。『物語健康法(入門編)』が問いかけている〝物語の力〟は文学だけでなく、人間存在、人間社会全体にとってとても重要なものです。
■ 遠藤徹 連載小説『物語健康法(入門編)』(第23回)縦書版 ■
■ 遠藤徹 連載小説『物語健康法(入門編)』(第23回)横書版 ■
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