小原眞紀子さんの連載小説『No.025 本格的な女たち』をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ-現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの同窓会サスペンス小説です。小原さんには新年第1弾のYouTube文学金魚ちゃんねるで、『2021年の文学金魚占い』と題したコンテンツをアップしていただきました。そちらの方も是非ごらんください。
『本格的な女たち』は伏線がこんがらがってきましたね。面白くなってきました。小原さんは小説では一番殺人に燃えるそうです。言い換えると小説で事件として最も面白いと考えておられるのが殺人事件ということになります。何を小説的事件として面白いと考えるのかは作家ごとに違いますが、自らの資質を踏まえて的確に事件を選ぶのも作家の能力です。でないと筆が走らないんですね。
石川は小説では事件が必要だと思います。私小説では決定的な事件が起こらないと思っている方もいらっしゃるでしょうが、そういう印象を抱いてしまう私小説は単に下手なんです。ちょっとした人間心理でも絶対的な事件になります。そうでなければ読者が小説から衝撃を受けることはない。私小説の人間心理描写で事件を起こせない作家は私小説モドキを書いているか、私小説に向いていないかどちらかです。両者とも作品はつまらなくなります。
小原さんはまた、文学金魚ちゃんねる『2021年の文学金魚占い』で、映像メディアであろうとその質を保証するのは言葉であり、作家の思想だとおっしゃっています。これは長い目で見れば絶対的にそうです。
これは石川くらいの世代にとっては驚くべきことですが、言ってみれば誰でも小さなテレビメディアを持てる時代がやってきました。今のところYouTubeがその最有力であるわけですが、それが既存のテレビの下請けになってしまうようでは映像メディアの発展はないでしょうね。違う思想、違う質の映像メディアになって初めて発信力のあるメディアになると思います。文学金魚ちゃんねるは最初から既存テレビメディアと無縁なわけですが、思想的にも質的にも新たなジャンルの映像メディアを目指したいと思います。
■ 小原眞紀子 連載小説『No.025 本格的な女たち』縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連載小説『No.025 本格的な女たち』横書版 ■
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■ 第10回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第10回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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