遠藤徹さんの連載マンガ『キノコの森』(第02回)&連載小説『物語健康法(入門編)』(第12回)をアップしましたぁ。『キノコの森』は『物語健康法(入門編)』と連動しているところがあって、物語というものの発生を感じさせます。Tipsという感じでささやかな物語が発生するわけですが、余韻を残して終わらせるところがvery遠藤さんです。作品の器の大きさに応じた物語の作り方を知っておられる。勘もいいんですね。
『物語健康法(入門編)』ではチラチラと文壇批判も入り交じってきます。海原泰山のような作家はいつの時代にもいるんですね。たいていの作家は書き始めた当初は理想を抱いています。それがどんどん現世に下がってくる。「俺は過去を捨て、死後の未来を捨て、いまを選んだ。今生のこの生だけを。そのためにどんな報いを受けようと構いはしない」という感じになってくる。ただし海原は「俺を誅することができる能力者はすべて抹殺済みだがな」と言い切れる自信家というところが小説です。現世的作家そのものとして造形されています。
この海原と、基本的には正反対の形で対立するのが主人公の真田寿福です。でも真田は大作家というわけではない。海原は流行作家で真田はそれほど小説が読まれていないけど、非常に尊敬されている純文学作家というわけではないのです。真田はもっと根源的なところで物語の力を復活させ、普及させようとしています。そこに遠藤さんの作家的信念のようなものがあるでしょうね。
■ 遠藤徹 連載小説『物語健康法(入門編)』(第12回)縦書版 ■
■ 遠藤徹 連載小説『物語健康法(入門編)』(第12回)横書版 ■
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