金魚屋から『文学とセクシュアリティ-現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の、小原眞紀子さんの連載小説『No.022 本格的な女たち』をアップしましたぁ。同窓会サスペンス小説です。中盤に差しかかりさらにどんどん糸がもつれてきました。また主人公の瑠璃とカメラマンの仁はホームズ&ワトソン的になってきましたね(笑)。
中年に差しかかると大学生などの若い頃の思い出は亡霊じみてきます。記憶が直線的に維持されていることはまずなくて、久しぶりに会った友人と話すと思い出が相当食い違っていたりします。また付き合いがあったらあったで、その間の関係性によって記憶が整理され、実際より良い記憶になっていたり、逆に悪くなっていることもあります。自伝や伝記などが必ずしも信用できないのもそういう理由です。人間は一筋縄ではいかない。
『本格的な女たち』はそういった人間の記憶の曖昧さを土台にしています。主人公を中心として同級生たちの現在から過去に遡ってゆくわけです。一皮ずつ現在がめくれ、少し前の過去としての現在、それから次の過去(の現在)・・・へと進んでゆきます。で、原点らしき場所へと向かう。
その原点とはどういうものか。意外と学生時代の姿から現在は変わっていないという所に出るかもしれない(笑)。そこが昔なじみの怖いところかも。まただからこそ同窓会小説は人間の本質を描くのにうってつけの舞台なのかもしれません。
■ 小原眞紀子 連載小説『No.022 本格的な女たち』縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連載小説『No.022 本格的な女たち』横書版 ■
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■ 第9回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第9回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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