金魚屋から『文学とセクシュアリティ-現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の、小原眞紀子さんの連載小説『No.017 本格的な女たち』をアップしましたぁ。同窓会サスペンス小説です。瑠璃は仁と栞とともに上高地に行くことになります。同級生怪死事件に巻き込まれ、同じく同級生の瓜崎の失踪事件にも関わっていると疑われているからです。また20年前の同級生・鮎瀬の事故死の手がかりを得るためでもあります。すべてはつながっているんですね。
同窓会サスペンス小説ってけっこう怖いですね。誰もが学生時代の記憶を持っているわけですが、当然粗密がある。いまだにある出来事にこだわっている人もいれば、まったく忘れてしまっている人もいます。そこに卒業後の人生がかぶさってくる。それによって過去の出来事が歪められたり変えられたりもします。漱石的に言うと『いっぺん起こったことはいつまでも続く』わけですが、同じ強さ、濃度で続くわけではない。そのような人間の感情が絡み合って殺人が起きる同窓会サスペンスは、誰もが心当たりがあるので怖いわけです。
今回はカメラマンの仁君が大活躍です。小説では人物設定がとても重要です。ムリのない人物設定をする必要があるというだけでなく、その人物の性格や職種からくる能力や感性が小説にリアリティをもたらします。仁君、カメラマンらしく人の顔を良く覚えている。また報道カメラマン志望ですから、カマをかけることにも長けています。こういう Tips を散りばめることで、小説のリアリティは生まれます。
■ 小原眞紀子 連載小説『No.017 本格的な女たち』縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連載小説『No.017 本格的な女たち』横書版 ■
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■ 第8回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
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