金魚屋から『文学とセクシュアリティ-現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の、小原眞紀子さんの連載小説『No.013 本格的な女たち』をアップしましたぁ。同窓会サスペンス小説です。誰しも心当たりがあるような物語の運びが興味とスリルを掻き立てます。
小説は浮世、現世を描く言語芸術です。三大要素は金と男女関係と家族関係です。この三大要素を外そうと小説家は苦労するわけですが、基本となる三大要素をキッチリ書けなければ掟破りはまず成功しません。アイディアも大切ですが、小説家は一種の技術者であり職人でもあります。一定水準以上の技術がなければスラリとした作品にならないのです。
小原眞紀子さんの『本格的な女たち』は本格的な心理サスペンスです。自分が知らない間に他者から貶められ、悪者にされてしまった経験を持つ人は現実には少ないかもしれません。しかし『もしかしたら・・・』と疑うような出来事は誰しも経験したことがあると思います。ということは現実に起こる。そんな経験を純化させれば心理サスペンス小説は書けるのです。
男も女も嫉妬深い。その嫉妬が深ければ深いほど、罠は周到に張り巡らされます。特に男の嫉妬は厄介ですね。女性より闇が深い面があります。そして本当に嫉妬深い人間はそれをひた隠しに隠したりする。だから罠を仕掛けることができるのです。この罠を掻い潜るのは大変です。なにせ自分の知らないところで他者が、善人を装って誤った情報を流し続けるのですから。小説としては「うひゃひゃ」の展開です。現実では御免蒙りたい罠であるからこそ小説として活きるのです。
■ 小原眞紀子 連載小説『No.013 本格的な女たち』縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連載小説『No.013 本格的な女たち』横書版 ■
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■ 第8回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
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