遠藤徹さんの連載小説『ムネモシュネの地図』『第18回 (六)象の背中(フェスティナ・レンテ)(四)』をアップしましたぁ。種山先生とさやかクンは、一応は謎解きに成功しましたね。『ムネモシュネの地図』、サスペンス小説ですから。ただま、『罪と罰』を読んで、誰が犯人かわかってもしょーがない。それと同じことがこの小説には言えます。
遠藤さんは器用すぎる小説家ですが、『姉飼』という小説でデビューなさったことは、やはり彼の資質を表しているでしょうね。『姉飼』はホラー小説ということになっていますが、選考委員の中でも『これはホラーなのか!?』と意見が割れたらしひ。さもありなんと思います。器用ですが、カッチリある文学ジャンルにはまらないんですね。いつもはみ出してしまう。
ただ人間の残酷なまでの冷たさは、遠藤さんのどの小説にも、たとえば児童小説やラノベ風の作品でも共通していると思います。残酷なまでの冷たさと言っても人間の悪い部分をクローズアップしたり、暴いたりするものではありません。もっと達観してるなぁ。人間、そーゆーもんだといった達観認識に近いかもしれません。
禅の偉いお坊さんは、ある種の冷たい無を見たことのある賢者ですが、けっこう笑ったり冗談を言ったりするのが好きです。それと同じようなところが遠藤さんにはある。もちろん文化を総合的に捉える学者としての視点も、彼の小説を豊かにしています。
■ 遠藤徹 連載小説『ムネモシュネの地図』『第18回 (六)象の背中(フェスティナ・レンテ)(四)』縦書版 ■
■ 遠藤徹 連載小説『ムネモシュネの地図』『第18回 (六)象の背中(フェスティナ・レンテ)(四)』横書版 ■
■ 金魚屋 BOOK SHOP ■
■ 第6、7回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 金魚屋の本 ■