青山YURI子さんの連載小説『コラージュの国』(第16回)をアップしましたぁ。『(モンゴル)×(ベネズエラ)×(韓国)=?』のコラージュの国への旅の続きです。今回はミレーナといふ謎の女の子が登場します。もしかして僕とアンヘラの間に波乱が起こるのかしらん。『コラージュの国』は普通の小説の書き方ではないですから、先が読めないのです。その方が楽しいですけどね。
特に、彼女の深い内面を知ろうなんて思わなかった。彼女の特徴の一つ一つを、細かく細かく、そしてそれが終わるとさらに細かく発見しようとした。新しく刷新された一日と彼女の相性が生み出す効果を認めたり。彼女をより細かく、ある時は僕の感情のフィルターを通して、または彼女の気分のフィルターを通して、ある時はズームを引いて全体像を掴み、焦点をぼかして雰囲気を味わい、さまざまな彼女を見出しては喜びに浸った。彼女もだいたい同じ感じだと思った。
(青山YURI子『コラージュの国』)
『コラージュの国』といふ小説は微視と巨視の間を往還します。現実の国の輪郭を持ちながら、その上位審級にあるコラージュの国を旅するのだから当然といえば当然です。その極端から極端に触れる動力が、当然のように主人公たちにも作用してくるのです。アンヘラは女の子であり僕の恋人であり、一瞬一瞬更新され変化し新たな面を見せてくれる存在です。しかしそれがまったくの未知といふことはない。解体と組み替え。ポストモダン小説ですが、作家の青山さんはほぼ全くそれを意識しておられないのが面白い。その意味で時代の寵児だな。
■ 青山YURI子 連載小説『コラージュの国』(第16回)縦書版 ■
■ 青山YURI子 連載小説『コラージュの国』(第16回)横書版 ■
■ 第6、7回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■