寅間心閑(とらま しんかん)さんの連載小説『助平(すけべい)ども』『四、半半グレの包囲網』をアップしましたぁ。寅間作品は東京の夜の物語という側面がありますね。この方、多分ですが都会っ子です。東京の街に距離がない。都会に幻想がないということでもあります。絵に描いたようなシティーボーイって、意外と地方出身者が多かったりするんですね。
夏目漱石の『坊ちゃん』で主人公が地方に赴任する際に、女中のキヨが『地方の人は意地が悪いから気をつけなさい』と言うシーンがあります。実際主人公は地方に赴任して、生徒たちから陰湿なイジメを受けたりします。もちろん地方の人は地方の人で、都会は生き馬の目を抜くようなところで危ないと考えていたりする。どっちゃもどっちゃですな(笑)。
ただどちらの場合でも、その土地土地の、文脈のようなものを知っている人は強い。寅間小説の主人公は都会の文脈を知り尽くしているような気配があります。そのためローカルな都会という雰囲気が漂いますね。危ないところも知っているし、そのすり抜け方も知っている。何度も痛い目に遭っているので、飽きちゃってる気配もある(笑)。一種のアーバン小説であります。
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『四、半半グレの包囲網』 縦書版 ■
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『四、半半グレの包囲網』 横書版 ■
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■