岡野隆さんの『詩誌時評・句誌』『No.082 創刊65周年記念 豪華65名による特別寄稿!(角川俳句 2017年06月号)』をアップしましたぁ。櫂未知子さんの連作句「ひかり」を取り上げておられます。櫂さんは結社誌「群青」の共同代表ですが、今最も優れた句を詠む俳人のお一人です。
完璧な闇を欲しがる巣箱かな
花篝ともされてより修羅となる
陽炎を味方にしたる猫であり
屋根替やひかり背負へるひと一人
筍のこれは飛び火と申すべく
(櫂未知子「ひかり」連作より)
岡野さんは『俳句王道をゆきながらそれを二重映しにしているような句であり、無理なく俳句文学の本質に接近している気配がある』と絶賛しておられます。また「今号は「創刊65周年記念」として「豪華65名による特別寄稿!」の作品特集が組まれている。一人五句に四〇〇字ほどのエセーを添えた特集である。この作品数ではなかなかオリジナリティーを発揮するのは難しいが、櫂未知子さんの作品で手が止まった」とも書いておられます。
こういうことってありますね。特に句誌、歌誌ではそうです。句誌や歌誌にはたくさんの作品が掲載されていますから、時間がない読者はいちいち作者名を確認したりしません。ダダダッと作品を読んでゆく。数作読んで底が見えたらすっ飛ばすわけですが、ふと手が止まってじっくり読み始める作品もある。
そういった作品は力があるのです。作家はなんやかんやいって作品が勝負。作家名がわかんなくても読んでしまうような作品が秀作なのです。ただ奇をてらった作品は、それはそれでどうやって特殊性を演出しようとしているのかわかってしまえば、伝統的作品よりも簡単に底が割れてしまう。王道を行きながら新しい作品がやはり普遍性を持っています。
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『No.082 創刊65周年記念 豪華65名による特別寄稿!(角川俳句 2017年06月号)』 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■