田山了一さんのテレビドラマ批評『No.170 陸王』をアップしましたぁ。毎週日曜日夜9時からTBSさんで放送されているドラマです。役所広司さん主演で山﨑賢人、竹内涼真、上白石萌音、風間俊介さんらが出演しておられます。原作は池井戸潤さんです。言わずと知れた『半沢直樹』の原作者です。ちょっと辛口の批評ですが、田山さんは『ドラマとは何か、ドラマチックとはどういうことかという考察にとっては、これ以上の題材はない』と書いておられます。
我々が画面の中に見出したいものは、そのような対立から生じる我々の苦労が何のためのものなのか、という納得である。そこに大義があれば、苦労は報われると感じる。大義は万人を納得させるから大義なので、ドラマをドラマ足らしめるものだ。たまたま同じ経験をした者を共感させたり、逆に目を背けさせたりするだけでは、その他の者は退屈して寝てしまう。
大義は、池井戸潤原作ドラマについて期待されてきたものとしては、巨悪と呼ばれるものや世界のスケールを感じさせるものだったろう。巨悪に挑むだけの理由があり、そこで相手を右往左往させるだけで中高年を惹きつけた『半沢直樹』、小さな町工場が宇宙ロケットの部品を供給する『下町ロケット』、いずれも彼我の「大きさの差」がドラマをドラマチックにしていた。
田山了一
いわゆる〝ドラマチック〟ということについての的確な説明ですね。『陸王』はそれなりに面白いんですが、ドラマを生む落差があまりないというのは確かだと思います。でも役所広司さんはやっぱいいなぁ。『陸王』のことを言っているわけではないですが、昔小沢昭一さんが自分が出たドラマをけなされて、『俺が出てなきゃ、もっとひでー作品になってたんだよっ』とおっしゃっていました。三國連太郎さんも『釣りバカって、西田君と僕が出てなきゃ見てられないでしょう』と身も蓋もないことをおっしゃってたな。ドラマや映画の楽しみ方も様々であります。
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