田山了一さんのテレビドラマ批評『No.169 監獄のお姫さま』をアップしましたぁ。毎週火曜日夜10時からTBSさんで放送されているドラマです。小泉今日子さん主演で満島ひかり、伊勢谷友介、夏帆、塚本高史、猫背椿、乙葉、神尾楓珠、池田成志、坂井真紀、森下愛子、菅野美穂さんらが出演しておられます。脚本は宮藤官九郎さんです。
官九郎さん、今一番面白い本を書く脚本家ですね。テレビ出世作は2000年の『池袋ウエストゲートパーク』で、石川は漫然とドラマを見ていたのですが、見終わってびっくら仰天して脚本家は誰か調べましたもの。『ゲートパーク』には原作がありますが、まあ言いにくいですがドラマの方が秀逸です。つまり官九郎さんの解釈が非常に優れていた。原作のマコっちゃん、テレビ版より落ちついていて、もっと頭がいいです(爆)。
田山さんは、『官九郎作品の魅力はある程度論理的に説明できるが、最大の魅力は彼の感性にある。官九郎さん、テレビ出演していてもいつまでたっても素人臭い。芸能界はもちろん、映画やドラマの決まり事(クリシェ)を苦もなく相対化できる感受性を持っているのだ。(中略)映画やドラマだけでなく、小説もフィクションである。ただほとんどの作家はどこかでオリジナル神話にとらわれている。官九郎脚本のオリジナリティだって高いが、現実世界とフィクションの垣根をあっさり取り払い、無限の引用の織物から生み出されているようなところがある』と批評しておられます。
脚本家にも作家性はあります。ただそれが認められる脚本家は少ない。ほとんどの脚本家はクライアントの要請と芸能事務所の間をウロウロして、行き当たりばったりに脚本を書いているのが透けて見える。官九郎作品には表現の核があります。ただそれは従来的な脚本家の作家性とは質が違う。新しいタイプの脚本家であり作家です。
■ 田山了一 テレビドラマ批評 『No.169 監獄のお姫さま』 ■
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