第03回 文学金魚新人賞受賞作 青山YURI子さんの連載小説『ショッキングピンクの時代の痰壷』『No.006 老人/デジタル時計の数字/ザ、ピース/宙とobra』をアップしましたぁ。優れた作家には必ず主題があります。青山さんの場合、それは〝憑依〟という形で現れるのかもしれません。『ショッキングピンクの時代の痰壷』で様々な物語(のフラグメントと言うべきかな)を書いておられますが、憑依が中心になっているように思います。
里菜はある老人の夢の中へと迷い込む。彼女は老人の夢の中で息をしている。そこではテストを作る事を生業とし、自身を芸術家として捉えていた頃の、若かりし頃の彼の姿があった。彼女は若い彼と恋に落ちるが、老人は目覚め、男は突如として姿を消してしまう。当然、里菜の送るメールにも返信はない。夢の中に閉じ込められたままの里菜は、彼の喪失に苦しむ。
(青山YURI子『(デジタル時計の数字)』)
多分ですが、表層的自己像と本質的自己像の間に乖離がある。その中間的自己像も無数に存在しているような感じです。それが青山YURI子ワールドとでも言うべき世界の鏡像世界を作り出しているように思います。ま、こりは石川の妄言ですが、そういった読み方もあると思って本編を楽しんで読んでください。この作家はかなりレアな感性を持っているのは確かです。一種の生きる鏡の国のアリスだなぁ。
■ 青山YURI子 連載小説『No.006 老人/デジタル時計の数字/ザ、ピース/宙とobra』[横書版]』 縦書版 ■
■ 青山YURI子 連載小説『No.006 老人/デジタル時計の数字/ザ、ピース/宙とobra』[横書版]』 横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第0回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■