田山了一さんのTVバラエティ批評『No.046 世界行ってみたらホントはこんなトコだった』をアップしましたぁ。フジテレビさんで放送されている世界旅行バラエティです。バラエティってグルメ(食べ物)と旅行モノがすんごく多いですね。これにクイズ番組を足すと三分の二くらいになるんぢゃなかろか。あ、あと意外とインドモノが多い。テレビ業界では、〝ネタに困った時はインドに行け〟っていふ格言があるんぢゃないでせうか(爆)。近代化されている割にはおっそろしく古い慣習が残っているので、インドモノが受けるんでせうね。不肖・石川はよくテレビを見てるな~。
田山さんは、『テレビというものが普及したとき・・・これで旅行に出なくてもいい、と思われたはずなのだが・・・それで海外渡航が減った、という話はついぞ聞いたことがない。つまり情報は、さらなる情報の獲得を欲望させる、ということだ。・・・「ホントはこんなトコ」というネーミングは、それを端的に示しているだろう』と書いておられます。
『世界行ってみたら』にはナビゲーターの旅人が登場するのですが、タレントさんではなくテレビ局のディレクターです。田山さんは『本当の旅のエピソードは・・・スタッフたちの準備や下調べ段階にあり、語るべきことが多い、ということだったのではないか。・・・「ホントはこんなとこ」とスタッフたちが腑に落ちたところで、タレントさんがやってきて、彼や彼女の「物語」が始まる。・・・そんなものよりよっぽど面白い苦労話は、裏方しか知らないというわけである』と書いておられます。鋭い視点ですね。『世界行ってみたら』が特色ある番組になっている理由は、旅人さんたちのリアリティ溢れるレポートにあると思います。
旅行レポートってけっこう難しいと思います。斜に構えた態度だと何も伝わりませんし、かといって大文字の観光名所ばかり並べても新鮮味がない。ほらよくあるでせう、いろんな場所に旅行してるのにちっとも面白くないブログって(爆)。たいていの場合、タレントさんと同じで〝こんな所を旅行しちゃってる私〟、〝こんなおいしいものを食べてる私〟といふ自意識が過剰だからつまんなくなる。本当は〝私について語りたい〟といふ欲望が透けて見えるので嫌味な文章になってしまふんですね。旅行レポートは、無色透明になった素直な私が、『へ~』と感心してる方が面白いと思うのでしたぁ。
■ 田山了一 TVバラエティ批評『No.046 世界行ってみたらホントはこんなトコだった』 ■