太陽を抱く月
NHK
日曜 23:00~
韓国で視聴率46%をマークし、昨年NHK BS プレミアムで放映された海外ドラマの再放送。朝鮮王朝の世子・イ・フォンと世子嬪・ホ・ヨヌは相思相愛の仲だったが、朝廷の権力争いにより、ヨヌは婚礼を目前に原因不明の病いで死んでしまう。 やがてフォンは王に即位するが、ヨヌを忘れられず、王妃に対しても心を閉ざしている。しかし死んだはずのヨヌは、過去の記憶を失った巫女・ウォルとして、フォンの前に現れる。
韓国の王朝ものは、だいぶ放送されたし、こちらも慣れてきている。地位や役職の呼び名もわかるし、日本で言うところの皇太子である世子をめぐる権力闘争では力関係の見当もつく。しかしこのドラマ、どうにもよく飲み込めなかった。最初から必死で観ていたわけではないが、テレビドラマがこうも難解では…。と思ったが、どうやら勘違いが原因らしい。
つまり世子と恋仲になる少女、ヨヌの印象が鮮烈で、なんて可愛らしい子だろうと思って見ていたら、なんと早々に死んでしまった。テレビドラマとしてどうよ、そんなことあっていいわけ、と怒っていたら、実はやっぱし死んでないという。そりゃそーだろー、はよ出てこい、と待てど暮らせど全然見当たらない。
そんでもって過去の記憶を失った巫女・ウォルってのが出てきて、これがヨヌであるらしい。それはヨヌの魂が憑依したってことか、まだ生きてるっていうのに、なんでわざわざ他人に憑依するのかしらん、と首を傾げていたところ、ヨヌとウォルは一人二役、とあった。
え、じゃなに、ヨヌとウォルは同一人物? どんな女優がこんなに別人みたいに化けるわけ? それじゃ世子がわかんなくても不思議はないか…。とさらに謎が深まったのだが、よくよく見ると、「ヨヌ(子役) キム・ユジョン」とある。「(子役)」って、そりゃないんじゃないの。。。
子役ってのは、本筋が始まるまでの繋ぎか、でなければ成人するまでの間、たっぷり見せるか、どっちかしかないはずだ。「(子役)」で済まされるぐらいの子役は前者に違いないが、世子と恋仲になり、しかし婚礼を目前に謎の病死を遂げるなんてのは「(子役)」にできる芸当ではない。
世子の方も子役と成人後を別人が演じているが、こちらは記憶を失っているわけではない。そもそもそこまで思っている初恋の人を何度見ても、わからないってことがあるか。ごく幼い頃に別れたならともかく、婚礼直前までいったのに。まあ、視聴者が観てても混乱するくらい、面影すらないのでは無理もないが。
成人後のヨヌ、すなわち巫女ウォル役のハン・ガインは人気女優であるらしいし、目がくりっとして愛らしいのだが、いかんせん頬がぷっくりして目と目の間が詰まっている。なんと言うか、小間物屋の娘っぽい。「(子役)」のキム・ヨジョンの知的で品がよい、いかにも良家のお嬢っぽい雰囲気と共通するところがほとんどない。そうか、あの子はもう出てこないのか。。。
山際恭子
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■