りょんさんの詩誌時評 『No.011 現代詩手帖 2014年5月号』をアップしましたぁ。自由詩がらみのコンテンツを2日続けてアップです。現代詩手帖さんの特集は「詩と、こども-未来の詩人たちへ」です。巻頭インタビューは谷川俊太郎さんで、子供をテーマにした詩のアンソロジーが組まれ、創作童話などが掲載されております。
りょんさんは、『谷川俊太郎さんの絵本出版に合わせたインタビューを巻頭に持ってきて、それを「子供向けじゃない」とまで結論づけていて、つまり「絵本ってのは、詩人が詩と同じに本気で取り組むもの」と理解したかと思いきや、「子供」のマーケットへ中途半端に接近するのは、よくわかんない。接近するのがよくないんじゃなくて、スタンスがはっきりしないのが、もやもやする』と書いておられますが、不肖・石川も同感だなぁ。
俳句・短歌雑誌は初心者をターゲットにした特集を定期的かつ継続的に組んでいます。「角川俳句」さんなどは、明確に俳句初心者を講読層に設定しています。でも現代詩手帖さんは詩の初心者をターゲットにして来なかった。自由詩の中ではほぼ唯一、一般流通商品になり得る抒情詩も重視せず、ひたすら現代詩とそれを巡る議論を掲載してきたのであります。繊維新聞や鉄鋼新聞のやうな業界紙とあんまりかわんないなぁ。子供が現代詩手帖を手に取る、あるいは現代詩手帖を読んで詩に興味を持つなぞまったく想像できないっす(爆)。
たとえば子供を含む初心者が納得するような『詩の書き方』を、即座に披露できる現代詩の詩人っていないんぢゃないでせうか。文学として論じることができる、易しい詩や童話を量産している現代詩人も少ない。だから童話というと、現代詩業界からはみ出た位置にいる谷川俊太郎カードを切らなきゃならならなくなる。でも俊太郎さんには「絵本ってのは、詩人が詩と同じに本気で取り組むもの」と言われてしまふ。童話や絵本をなめんなよ、ってことですなぁ。それに対外的な一般性を持った詩人って、ほとんど俊太郎さんカード一枚だけでしょ。
不肖・石川、最近になって童話がどういふものか、ようやくわかり始めました。衣食住の心配のない子供たちは、華やかで向日的なものが大好きです。メディア戦略で言うと、童話はモノクロの詩誌よりも、お金のかかかったカラーのファッション誌の方が相性がいい。低レベルの話だと思われるかもしれませんが、俊太郎さんや宮沢賢治のような優れた童話作家は簡単には現れません。ほれならメディアはお金をかけて童話にふさわしい誌面を作り、じっくり作家を育てなくっちゃだわです。で、文学金魚の『絵のある本のはなし』で、けっこう童話についてのコンテンツを掲載しています。あ、番宣ですぅ(爆)。
■ りょん 詩誌時評 『No.011 現代詩手帖 2014年5月号』 ■