日本が誇る世界的特殊作家、三浦俊彦さんの連載小説『偏態パズル』(第38回)をアップしましたぁ。今回は珍しく、前回に引き続き村坂誠司さんの供述書です。しかし第2回で袖村茂明さんが被害(?)にあった「青吸爺」が、今回のコンテンツで初めて村坂さんだったことが特定されたのです。パズルは組み立てられてゆきますな~。つーか、世界はおろち学によって緊密に結ばれているのであります。
そんで村坂さんの覗きの動機が、『二十年ほど前からリューマチと腰痛に悩まされとりましてなぁ。ほとんど走ることなどできなかったんですわ』といふ状態だったのが、『「なにをしてるんだ」と。次の瞬間たまげたのなんのって。脱兎のごとく走って逃げ出しとるじゃありませんか、・・・びっくりしましたね、自分の脚力に。歩くんもおぼつかなかった俺の脚。走れるじゃないかと有頂天になってね』といふ体験にあったのであります。火事場の馬鹿力と申しますか、ひじょーに強いリビドーのなせる業と申しますか(爆)。
何に対して強い執着を持つのかは人それぞれです。中でも性的なものは基本人類共通ですから、芸術はもちろん学問としても研究対象になりやすい。しかしその本質は、現象(事件など)を収拾・分析して帰納法で特定しやうとしても、ある思想・観念を設定して演繹的に説明しやうとしても、なかなかうまくいかない。三浦センセはそれを、論理、現象論、社会学、歴史学などを総動員して描き出そうとしておられます。こりは世界初の〝おろち学大全〟ですな。『偏態パズル』は本になる頃には電話帳くらいの厚さになりそうですが、一家に一冊の必携本かもしれませぬぅ(爆)。
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第38回) pdf版 ■
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第38回) テキスト版 ■