日本が誇る世界的特殊作家、三浦俊彦さんの連載小説『偏態パズル』(第34回)をアップしましたぁ。まったくもってタブーなしのお方ですねぇ。今回の後半フラグメンツの、金妙塾の小熊誠子、高塚雅代、吉丸八彦さんの議論は秀逸です。一種の男女平等論です。この平等論が社会的側面だけでなく、生物学、心理学、果ては文化領域全般にまで拡がっていくのが三浦センセの特徴であります。
吉丸さんは女性塾生2人に対して、『金妙塾でこうやって文化活動している限りはわれわれ、生物学的なんたらを追認してちゃいかんはずですよ。・・・視覚的にも他の感覚的にも男女差のない後ろ下半身に限って言えばですよ、文化で生物学を乗り越えなきゃ、でしょ。・・・われわれ男としたって、美的に差別され続ける立場ってのは愉快じゃないわけでね。だいたい差別差別って、女ばかりが被害者みたいに言い立てる風潮あるけど、実際は身体とか美意識とかいった文化の根元においてですな、男の方がずっと被差別者色が濃いままなわけですから』といふ議論をふっかけておられます。
こういった議論を公然とできるのは、テレビバラエティなどで活躍しているオネエ系タレントさんたちだけでしょうねぇ(爆)。男は男であることで得をしている面と損している面がある。女性も同様です。しかしまあ、社会システムはまだまだ男性中心なので、男は男性性のマイナス面は言っちゃいけない暗黙の了解があるようです。ましてや女性の利点を攻撃すると、とたんにバッシングにあってしまふ。三浦センセはこういふタブーにもまったく躊躇せずに切り込んでこられる。完全男女平等を説くおろち学、恐るべしでありますぅ(爆)。
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第34回) pdf版 ■
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第34回) テキスト版 ■