田山了一さんのTVバラエティ批評 『 No.025 魔性の難問・リーマン予想 - 天才たちの闘い』 をアップしましたぁ。昨日に引き続き、再放送ですが最先端の数学を巡るNHKさんの教養番組です。リーマン予想は素数の並びを解明するための問題です。素数は1と自分自身でしか割れない数字のことで、2、3、5、7・・・31397・・・と無限に続きます。すべての数字は素数のかけ算で表せることから、数の原子とも呼ばれます。この素数の並び(現れる順番)にはまったく規則性が見られないんですが、〝規則性はある〟 ことを数学的に証明する設問がリーマン予想です。まだ解かれていない数学上の大問題であります。
例によって不肖・石川にはこれ以上の説明はムリなのですが (爆)、最近の研究では、素数の並びと原子核のエネルギー間隔が非常によく似ていることがわかってきたようです。田山さんが 『数の原子である素数と、物質の最小単位である原子の間には共通した法則性があると推測されるのである。驚きであると同時に、考えてみれば十分あり得ることである』 と書いておられるとおり、恐らくなんらかの関係があるんでしょうね。
人間の知的発達は言葉によってもたらされましたが、その純粋抽象思考の粋が数学であります。言うまでもないですが、コンピュータは数学がなければ成立しません。つまりリーマン予想が解かれれば、人間の知性は別の高度次元に突入するわけです。新たな公式であるリーマン予想の解を使って、たとえばコンピュータをベースとした人工知能などが、現在とは異なる形で飛躍的に発達する可能性があります。
確か森鷗外が、〝学問は要、不要を考えていてはできない、無駄と思われるような地道な探究から学問の基礎は出来上がる〟 といふことを言っておりました。数学や物理などの基礎研究はまさにそのようなものでしょうねぇ。文学は数学・物理のやうにはいきませんが、それでもできるだけ原理に近い何ごとかをおさえた方が、遠回りのやうで結局は近道のような気がします。ただ人間の一生は短い。文学金魚は文学原理主義と総合主義を掲げていますが、できるだけ短期間で成果を上げられるやう、石川もビシビシ著者の方を鞭打っていきたいと思いますですぅ。
■ 田山了一 TVバラエティ批評 『 No.025 魔性の難問・リーマン予想 - 天才たちの闘い』 ■