鶴山裕司さんの連載エセー 『続続・言葉と骨董』 『第 014 回 慶應元年の舶来コップ』 をアップしましたぁ。今回は慶應元年 (1865年) と書かれた箱に入ったガラスコップです。生産地は不明ですが、長崎の出島経由でオランダからもたらされたヨーロッパ製品のようです。それにしてもオンザロックとかによさそうだなぁ。鶴山さん、不肖・石川に譲ってくださらないかしらん。
で、鶴山さんだいぶお忙しそうですが、ちゃんと原稿を書いてくださったのですね。石川、嬉しいであります。つーか石川が原稿書け書けってうるさく言ってるせいかもしれませんけど (笑)。ほんでも物書きは書かなきゃ何にも始まらないです。ときどき作家の卵さんが 〝あいつはくっだらない原稿ばっか書きやがって〟 的な悪口を言っているのを耳にしますが、編集者から言わせていただければ、くだらなくても書ける作家の方が上です。一作あるいは一冊の本に全身全霊を込めて傑作が書ければいいのですが、多分、難しいです。文学は 〝学〟 であり 〝芸〟 でもあります。〝学〟 の探究だけでは不十分で、場数を踏んで 〝芸〟 を磨かないといい作品は生まれません。
そんで鶴山さんは、『言葉と骨董』で陶磁器について書くと宣言したのに、今回ガラスを取り上げたことを気になさっているようですが、そんなのいいですよん。鶴山さんの骨董エセー、面白いですもの。これはすばらしい、これはたまらないといった、よくある骨董エセーの主観的臭みがない。上質のエセーになっていると思います。取り上げる骨董の種類は気にせず、どんどん書いてくださいませませ。
■鶴山裕司 連載エセー 『続続・言葉と骨董』 『第 014 回 慶應元年の舶来コップ』 ■